□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2018月5月5日第329号 ■ ============================================================= いまよみがえる箕輪登さんの魂の叫び ============================================================= いまから二週間ほど前、私は憲法記念日の特集記事を書くという東京新聞の記者から取材を求められ、応じた事があった。 その記者は、小泉純一郎首相の自衛隊イラク派遣に反対して訴訟を起こした自民党のタカ派議員、箕輪登さんについて書きたいという。 その訴訟に参加していた天木さんにも話を聞きたいと思って連絡したと言うのだ。 懐かしい名前だ。 自衛隊のイラク派遣違憲訴訟は当時全国で広がった。 そのきっかけを作ったのは北海道で最初に訴訟を起こした箕輪さんだった。 私はそれに参加したいと北海道に箕輪さんを訪れたが、箕輪さんは一人で訴訟を起こすと言う。 私は応援に回った。 全国に広がったイラク訴訟のすべてに私は参加しようと思ったが、同じ訴訟は一カ所しか参加で見ない事を知って私は名古屋のイラク訴訟に参加した。 しかし私の原点は箕輪訴訟にあった。 何度も北海道に足び箕輪さんと親しくなった。 なぜ箕輪さんなのか。 それは、私が外務省を解雇され、一人になって気弱になっている苦しい時に、箕輪さんに勇気づけられたからだ。 私にとっては救いの神だった。 その箕輪さんが2006年5月に82歳で亡くなってからは、私の記憶も遠ざかっていった。 いまでは完全に忘れていた。 そんな時に東京新聞の記者から取材を受け、当時の事を思い出しながら話そうとしたけれど、すべての記憶が曖昧な自分に気づいた。 一つだけ鮮明に残っている記憶がある。 それは箕輪さんの魂の叫びだ。 その言葉は葬儀の参列者に配られた会葬礼状の中に再現されていた。 私は東京新聞の記者にこう語った。 あの言葉こそ、記憶があいまいになってしまった今の私が箕輪さんについて語れることだと。 東京新聞の、その記者は、きょう5月5日の東京新聞「憲法を見つめて 下」で「自民タカ派の遺志」として次のように私の希望どおり書いてくれた。 「死んでもやっぱり日本の国がどうか平和で、働き者の国民で幸せに暮らしてほしいなと、それだけが本当に私の願いでした」と。 この言葉を目にするたびに涙が出てくる。 それは苦しく、心細かった私を慰め、勇気づけてくれた言葉だったからだ。 何よりも、憲法9条の魂を最もよく体現している言葉だからだ。 私はこの魂の叫びに応えるためにも新党憲法9条を何としてでも実現したいと覚悟を新たにしたのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)