□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年5月11日第388号 ■ ============================================================== 一粒で何度でもおいしいオバマの広島訪問 ============================================================= オバマ大統領が広島を5月27日に訪問することが、日米同時発表された。 テレビは臨時ニュースのテロップを流し、きょうの各紙が一斉に一面トップで報じた。 あのパナマ文書公開もかすむほどの大きさだ。 すべてはシナリオ通りだ。 このオバマ大統領の広島訪問ほど私の予想が的中したものはない。 私はオバマ大統領の広島訪問の可能性がはじめて報道された時に書いた。 当時はまだ米国内の反対が懸念されていて、その可能性に疑問が持たれていたが、私は直感的に思った。 これは安倍首相とオバマ大統領の最大の宣伝に使われることになると。 それぞれにとって、まったく別の思惑で、歴史に残る「偉業」と喧伝される事になると。 だから、この訪問は間違いなく日米両政府の合作で実現するに違いないと。 それから数か月、すべてが私の予想通りに進んだ。 それだけではない。 その宣伝は何度でも繰り返されるのだ。 ケリー国務長官の広島訪問の時は岸田外相の売り込みに使われた。 そして今度の発表は、暗いニュースばかりの中の朗報だ。 最後は5月27日の、安倍首相に案内されてのオバマ大統領の広島入りだ。 その時のメディアの大騒ぎぶりが目に浮かぶ。 すなわちオバマ大統領の広島訪問は、一粒で何度でも味わえるグリコの飴だ。 だれも表立って文句を言えない。 謝罪しないなら来るなとは決して言えない。 いや、最後のサプライズはオバマ大統領の被爆者との面談になるかもしれない。 まさしくそれで立派に謝罪したことになる。 しかし、私が残念に思うのは、米国大統領の広島訪問という、戦後の日米政治史の一大事業が、これで終わってしまうことだ。 もはや二度とこの問題が人々の口から語られることはなくなる。 人類に核を投下したという非人道的行為が、国家間の、国民間の、謝罪と反省と和解のないままに、為政者の思惑で曖昧決着させられて、歴史の中に封印されていく。 核廃絶を叫びながら決して自らの核兵器を率先して廃絶しようとはしないオバマ大統領と、まちがった歴史認識を決して改めようとしない安倍首相。 この二人にだけは、この歴史的偉業の主役にさせてはいけなかった。 どんなに時間がかかろうとも、最もふさわしい日米の主導者たちの手によって、本当の意味での謝罪と和解がなされるべきだった。 そして、それはまた、村山談話や慰安婦問題についてもそうだ。 負の歴史の清算は、すべての関係者が納得いく形で正しく行われなければいけないのだ。 そう書きながら、それではいつまでたってもその日が来るときはない。これでよかったのだ、そう考えるもう一人の私がいる(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新しいコメントを追加