□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年12月13日第1020号 ■ ============================================================ 国際政治の利害のかげで甘やかされるサウジアラビア ============================================================= サウジアラビアで12月12日、地方議会選挙が行われ、女性がはじめて一票を投じた。 それを報じる記事は次のように続けている。 女性は自動車の運転が認められず、公共の場では男女の分離が義務付けられ、今回の投票も別々に行われた、と。 まだこんなことをやっているのだ。 私は1982年から84年の二年間サウジアラビアに勤務した経験があるが、女性の人権無視はその時と何も変わっていない。 それにつけ加えれば、いまでも犯罪人は公開処刑である。 このような人権無視の国が国際批判を受けることなく国際政治の主要国としてふるまっているのだ。 人権に厳しい米国が、サウジアラビアに限っては黙認したままだ。 なぜか。 それは世界最大の産油国であるからだ。 その資金力の前に国際政治は黙るのである。 それに加えてイスラエルのアラブ分断策がある。 国際政治のこの不条理の放置こそ、中東情勢の将来を一層混乱させる原因である。 そのことをきょう12月13日の東京新聞紙上で木村太郎が「大義も吹き飛ぶ中東情勢」と題して要旨次のように書いている(太郎の国際通信) イスラエルがアラブ首長国連邦のアブダビに外交使節事務所を開設すると発表した。開設するのは国際再生可能エネルギー機関(IRENA)への使節団事務所であるが、いわゆる「裏口外交」の窓口だ。今回の決定は湾岸国の代表格であるサウジアラビアの同意なくして行われたとは考えにくい。これをきっかけにイスラエルとサウジアラビアをはじめとした湾岸諸国との関係改善が進むと見た方がいい。イスラエルがアラブ諸国と正式に外交関係を持つのはエジプトとヨルダンだけだが、今後アラブ諸国とイスラエルの関係は広がる事が考えられる。イランを総本山とするシーア派の勢力が強まることに対する対抗策だ。一方のイスラエルは核開発を進めるイランを攻撃するために、サウジアラビア上空の軍用機通過が必要である。つまりイランと言う共通の敵を前にイスラエルと湾岸諸国が急速に接近しつつあるということだ。それだけではない。同じ、スンニ派でもイスラム国の様な過激派の脅威と対抗するためにも、イスラエルとの連携の必要性は高まりつつある。しかし、「アラブの大義」とはイスラエルの存在を認めないことだった。それが否定されるとパレスチナの対イスラエル闘争は梯子を外されることになる。成り行き注目だ、と。 この事は何を意味しているか。 それは、イスラム国がパレスチナ支援という「アラブの大義」を全面に掲げ出すようになったとき、中東は最終戦争になるおそれが出てくるということだ。 アラブの大衆はパレスチナにつく。 サウジアラビアを甘やかしたツケの行き着く先はそこである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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