□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年12月12日第1013号 ■ ============================================================ 中国の原発増設をうらやむ読売新聞のなさけなさ ============================================================= 何かにつけて中国を批判的に書く読売新聞が、原発増設を進める中国については、うらやましいと言わんばかりの社説を掲げている。 きょう12月12日の社説「中国の原発増設 世界を席巻する日が来るのか」という社説がそれだ。 その要旨はこうだ。 世界原子力協会によると中国で運転中の原発は30基にのぼる。43基を有しながら再稼働が進まない日本を除くと、米国、フランス、ロシアに続き実質4位の原発国だ。習近平政権はさらなる増設を検討している。現地の報道では来年以降は年6-8基増設し、2030年には米国の99基を上回る101基まで増やす方針だ・・・ こう書いた後で、中国を手放しでほめられない読売は、こう批判的その社説を続ける。 その安全性には疑問点が多い。深刻な原発事故が起これば日本にも甚大な影響が及ぶ。もともと中国の原発は独自技術に乏しい。その一方で中国は近年輸出攻勢が目立つ。英国やパキスタン、南米、アフリカに売り込みを図っている。運転実績のない原子炉が世界を席巻する現状は問題だ・・・ ここまで書くのなら、だから原発増設は止めろ、欠陥原発を世界に売り込むな、と書いてもよさそうだが、読売の社説はそうではない。次のように日本も負けるなと書いているのだ。 日本にとっても、原発はインフラ輸出の柱のひとつだ。技術力をさらに向上させ、実績を積み重ねる事が重要である。そのためには国内での新増設も検討せねばならない・・・ 驚くべき社説だ。 福島事故で原発の危険性と非人道性を身をもって体験したはずの日本が、中国との対抗意識から、原発再稼働、原発新設を主張している。 愚かだ。 中国に勝てるチャンスをみすみす捨てている。 この事は防衛力の増強についても全く同じだ。 二度と戦争の惨禍を招いてはいけないという反省から憲法9条を大切にしてきた日本が、その憲法9条を捨てて防衛力強化に走る。 すべては中国と競い合い、負けてはならないと考えるからだ。 それが正しい競争なら大いにすればいい。 しかし、原発増設といい、軍事力増強と言い、中国が間違った方向で国力の伸長を目論むときに、それと競い合うほど愚かな事はない。 憲法9条を掲げ、福島原発事故という「災い」を転じて、原発は人類と共存できないという教訓を得るという「福」となす日本こそ、中国に対し、軍拡も原発増設も間違いだと主張できる唯一の国なのだ。 その二つこそ、日本が中国に決して負けることのない強みなのである。 ところが、それを捨てて中国と競い合う。 勝てるはずがない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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