□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年11月28日第973号 ■ ============================================================ シリア空爆にみる国連の機能不全と憲法9条の危機 ============================================================= シリア空爆について欧米とロシアの共闘の行方が連日のように報道されている。 オランド仏首相とロシアのプーチン大統領の首脳会談もその一つだ。 しかし、その共闘の行方がどうであれ、米ソ英仏がシリア空爆を当然のように行っていることに変わりはない。 さすがに中国だけは空爆参加の態度を表明していないが、イスラム国との戦いに不参加はあり得ないだろう。 安保理常任理事国はすべて空爆を了承しているということだ。 それだけではない。 きょう11月28日の産経は、イラクとシリアでの空爆を強化したフランスを支援するため、ドイツ政府もまた軍事行動に直接参加する方針を26日に決めたと報じた。 潘基文国連総長も有志連合の空爆を支持する声明を出した。 いまから12年前、ブッシュの米国がテロとの戦いを宣言し、報復を先制攻撃だと強弁してアフガンやイラクを攻撃した時、世界はこれを非難した。 仏のシラクや独のシュレーダーが反対し、アナン事務総長が国連は死んだと叫び、国際世論が一斉にブッシュを批判した。 そのことをあらためて振り返ってみた時、その様変わりに驚く。 しかし、この様変わりは深刻である。 安保理の決議なしに国連常任理事国が一斉に空爆し、それを国連事務総長が容認した。 それを国際社会が誰も批判しないのだ。 それほどイスラム国は世界の敵だというわけだ。 しかし、サダム・フセインやアルカイダへの一方的な攻撃が悪くて、イスラム国への一方的な攻撃が許されるという道理はない。 よしんばそうであっても、空爆を当然視することは、紛争を武力で解決してはならないとする、戦後の世界の安保体制の根幹を揺るがすことになる。 それは、とりもなおさず、憲法9条の大前提が崩れることを意味するのだ。 この深刻な事態を誰も指摘しようとしない。 シリア空爆を当然視するいまの国際情勢は、憲法9条にとって最大の危機なのである。 この事をどれだけの護憲論者、平和論者が気づいているだろうか(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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