□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年10月16日第847号 ■ ============================================================= 日米安保容認を言い出した共産党の本気度 ============================================================= 共産党の志位委員長がきのう10月15日に日本外国特派員協会で記者会見し、国民連合政府が実現した場合、日米安保条約の廃棄を求めない考えを示したらしい。 きょうの各紙が一斉に書いている。 「清水の舞台から飛び降りる覚悟」で連立政権構想を言い出したのは、こういうことだったのだ。 もしこれが、共産党が今後日米安保を容認するという方針に大転換したのなら、私は共産党を見限る。 そして「共産党は隠れ親米、従米の裏切り政党だ」と批判する、共産党よりももっと過激な左翼の連中の言い分が正しかったということになる。 しかし、報道を詳しく読むと、同時に志位委員長はこう言っている。 「日米安保条約を廃棄する大方針を変更するわけではない」と。 つまり安倍政権打倒という緊急避難的な国民連合政府の実現に向けて、日米安保を棚上げするということだ。 それを私は、大英断と評価する。 しかし、ここまで言っても民主党は乗って来ないだろう。 岡田民主党の中枢を占める連中と、その連中が優先的に連携を進めようとしている、旧みんなの党を含む松野維新の党の連中は、共産主義を掲げる日本共産党を認めないからだ。 だから、いくら志位委員長がラブコールを送っても、いつまでたっても民主・維新の党と共産党の協力は進まない。 進んでも中途半端な選挙協力に終わって、とても安倍自公政権を倒すところまではいかない。 共産党が本気で安倍政権を倒そうと思うのなら、まず社民党や生活の党との統一を目指すべきだ。 日本共産党という名前を変えて彼らと新党をつくるのだ。 もはや将来性のない社民党や生活の党にとって、もし彼らが保身や私利私欲と無縁であれば、解党して新党をつくることに反対しないはずだ。 少なくとも報道されている限り、打倒安倍に対する思いも、政策も、この三つの政党は一番近い。 そして、これら三党が打倒安倍政権を掲げた新党を作れば、支持政党のない多くの反安倍自公政権の国民は、次の参院選で新党に投票するはずだ。 そして新党を結党したあとの世論調査において、この新党は、維新の党はもとより、野党第一党の民主党よりも高い支持率を示すかもしれない。 もしそうなれば、「政治は数だ」の言葉通り、民主党や維新の党は向うの方から近寄って来ることになる。 しかし、共産党は社民や生活の党との統一を呼びかけることはないだろう。 日本共産党の名前にこだわり共産主義にこだわり続ける。 そして社民や生活の党もまた、共産党との統一を選ばないだろう。 彼らのエゴがあるからだ。 ここに、この国の既存の政党・政治家の限界がある。 よほどの事が無い限り、既存の政党、政治家の離合集散では安倍自公政権は倒せない。 そのよほどの事とは何か。 それはわからない。 しかし、はっきりしていることは、日本の情勢が落ちるところまで落ちるときだ。 国民が悲鳴を上げる時だ。 そうなる前に安倍暴政を止めなければいけないのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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