□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年11月9日第842号 ■ ============================================================= 米2閣僚の千鳥が淵墓参はやはり米国の強い怒りの表れだった ============================================================ 2プラス2閣僚協議で米国のケリー国務長官、ヘーゲル国防長官が来日した10月3日、そろって千鳥が淵墓苑に献花したことがあった。 この時、私はこれは靖国参拝を行なおうとしている安倍政権に対するけん制のメッセージだと書き、当時の多くもそう受け止めたが、もちろんそうではないとする意見もあった。 きょう11月9日の毎日新聞「昭和史のかたち」という連載コラムで、聞き語りノンフィクション作家の保阪正康氏が、この疑問に見事に答えている。 やはりあの墓参は米国の明確なメッセージであり、けん制どころか強い怒りのあらわれであったのだ。 その根拠として保阪氏が指摘していた事が極めて保阪氏らしく、自らの取材に基づいて書いているところが素晴らしい。 私がこのメルマガで読者と共有したいと思ったゆえんである。 すなわち10年ほど前に保阪氏は米国務省の調査スタッフから小泉首相の靖国参拝についての意見を求められたという。 その時保阪氏は自説を述べた後でその調査スタッフに、なぜ米国は靖国参拝に関する日本の公式的見解を調査しようとするのか、と訪ね返したという。 その時帰って来た言葉こそ、保阪氏がケリー、ヘーゲル両長官の千鳥が淵墓参が米国の強い怒りの表明だと断じる根拠なのである。 そのスタッフはこう答えたという。 国務省として在米日本大使館に靖国神社の説明を求めたところ、あそこはあなたの国のアーリントン墓地と同じですよと日本大使館の書記官が答えた。これにはさすがの米高官たちも、激怒したという。アーリントンは靖国とは異質な施設で、我々の神聖な空間と比較しないでほしいというわけだ。 この書記官の発言がきっかけで米国は靖国参拝に対する日本政府の公式見解を本格的に調査することにしたというのである。 いうまでもなくアーリントン墓地は、米国のために戦った兵士たちを宗教、民族に関係なく追悼する施設で敗者への慰霊も祭礼の対象になっている。 それに反して靖国はA級戦犯を合祀した政治的神社であり、なによりも遊就館には米国の日本占領、東京裁判を否定する反米史観が掲げられていた。 米国高官が日本の書記官の軽率な発言にアーリントン墓地が侮辱されたと怒るのも無理はないと保阪氏は思ったというのだ。 問題は外務省にまったくその認識がないことだ。 おそらく当時の日本大使館の書記官は自らの軽率な発言の意味を気づかず、米国の怒りも気づかなかったに違いない。 外務省は何も手を打とうとすることなく、それから10年たった今も安倍首相はその外務省の言いなりになって「靖国はアーリントン墓地と同じだ」と米国で口にした。 その一方で米国は調査スタッフが事前の調査を丹念に行って国の政策をつくり、それを記録にとどめて受け継いでいく。 基本姿勢において日本は米国の足元にも及ばないのだ。 間違った歴史認識を持ったまま首相になった安倍首相が米国の「国益を害する」と米議会調査局の報告書に書かれたことがあったが、このような背景がある深刻なメッセージだったのだ。 保阪氏は次の言葉でこの連載記事を終えている。 「国務と国防の二人の主要閣僚が示した千鳥が淵への献花は、単なる『現在』のニュースではない。長年のアメリカ政府の怒りが、正面切って我々の前に示された事になる」 安倍政権やその補佐役の谷内正太郎内閣官房参与が進める外交・安保政策に米国は警戒を怠らない。 そこに気づかずに日米同盟重視を叫び、集団的自衛権行使をふりかざし、特定秘密保護法案の成立を急ぎ、中国、韓国との敵対関係を本気で改善しようとしない安倍外交は危うさを通り越して滑稽すらあるということだ(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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