□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年9月19日第699号 ■ ============================================================= 内閣人事局をめぐる安倍首相と官僚の攻防に注目せよ ============================================================= 読者の中には意外に思われる者もいるかもしれないが、安倍首相は決して官僚の言いなりではない。 それどころか官僚主導から政治主導へ政治をとりもどそうとしている。 それを象徴するのが、第一次安倍内閣の時に渡辺喜美を行政改革担当相にさせ公務員改革を彼に任せたことだ。 渡辺喜美は官僚を敵に回し、官僚に協力的な自民党に潰されて自民党を追われた。 第一次安倍内閣の安倍はそんな渡辺を守ることができなかったばかりか、みずから政権を投げ出して頓挫した。 政権に返り咲いた安倍首相は、いまふたたび政治主導の政治を行なおうとして官僚と対決している。 それが内閣人事局をめぐる安倍首相と官僚のせめぎあいである。 最近の報道を見ているとこのせめぎあいの記事が目立つようになってきた。 きょうの各紙は、自民、公明両党が公務員制度改革に関するワーキングチーンの初会合をきのう9月18日に開いた事もあって、安倍内閣と人事院の綱引きについて書いている。 それを読むといかに公務員改革が難しいかがわかる。 すなわち安倍首相と女房役の菅官房長官は稲田公務員制度改革担当相に命じて幹部官僚の人事権を官邸が一元化する国家公務員制度改革法案を臨時国会に提出しようとしているが、人事院や各省庁に加え自民党内部にも慎重論が強く綱引きが始まっている(9月19日朝日)という。 連立政権の公明党まで慎重論を唱え出す始末だ。 日経新聞に至っては「臨時国会に法案を提出するには月内に細部の設計まで決着させる必要があり、時間は乏しくなってきた」(9月19日経)とあきらめ顔だ。 結論から言えば私は安倍首相の内閣人事局案は腰砕けに終ると思っている。 もし安倍首相が強行に内閣人事局の実現にこだわるなら、政権そのものさえ危うくするだろう。 それだけ日本は官僚の組織力が強いという事である。 日本の既得権が官僚組織と癒着しているということである。 それを知っていたのが小泉首相だった。 彼は決して官僚と敵対することはなかった。 自らの思い入れから三流官庁の郵政官僚を叩いたが、財務省、外務省、経産省、総務省などの主要官庁とは対立しなかった。 そして郵政民営化は見事に米国への利益誘導であったことが明らかになった。 これを要するに、自民党も公明党も野党も、財界もメディアも、官僚組織と正面から戦う事を決してしようとはしないのだ。 しかも安倍首相が行なおうとしている内閣人事局は、人事と待遇を決して手放そうとしない官僚たちが生き残りをかけて抵抗する公務員改革の核心中の核心部分である。 それを内閣に一元化することはいくら安倍首相が強大であると言っても困難なことである。 とてもではないが稲田朋美行革担当大臣の手に負えるものではない。 稲田大臣はせいぜい靖国や尖閣で吠えているのが精一杯だ。 この国を動かして入る権力は官邸ではない。 官僚組織だ。 安倍政権を批判しているだけではどうにもならない現実がある(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新しいコメントを追加