□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年7月26日第552号 ■ ============================================================= 「 尖閣問題の棚上げは国益だ」と書いた宮本雄二元駐中国大使 ============================================================== 宮本雄二元駐中国大使がきょう7月26日の毎日新聞「経済観測」というコラムで「誇りある外交とは」と題して次のように書いている。 領土がらみの問題は国益に直結しているが、経済関係を発展させることもまた国益だと。 国益とは他分野にまたがる重層的なものであり、たった一つから成り立っているものではない。「国益を守りぬく」ということは個別の国益の総体をいかに最大化することであると。 そして、外交の現場で、相手が立場を変えるのは、自国の利益になると総合的に判断するからであって、相手に言い負かされたからではない。いろいろな材料を積み上げて、相手の立場の変更を促していくしかない。相手の利益になることを、相手が国内で説明できるようにしてやることだ、とまで書いている。 読者はこれだけでは宮本氏が何を言おうとしているか分からないだろう。 しかしこれは行き詰まった日中関係を打開するには尖閣問題を棚上げするしかないと言っているのだ。 宮本雄二氏は1969年にともに外務省に入省した同期である。 だから私は彼の考えを知っている。 そして彼が駐中国大使を退官した直後に、メディアに次のように語っていた事を私は見逃さなかった。 すなわち彼は「領土問題は存在しない」という原則論を自分は建前上言い続けてきたが、そのことで自分は消耗させられた、建前論に振り回されて来た、と素直に認めていたのだ。 だからこの評論で彼が「誇り在る外交」とか「国益を守る外交」などと抽象的な言葉を使って主張していることは、すなわち尖閣問題を棚上げすることこそ「真の国益」であると言っているのである。 問題は宮本氏がそれをストレートなぜ言わないのかということだ。 それを言えば安倍首相の外交を批判することになるからだ。 愛国的なメディアや世論に叩かれるからだ。 しかしもはや今の彼は外務官僚として功成り名を遂げた自由人だ。 日中関係の改善を本気で望むなら、堂々と自らの信じる正論を言える立場である。 元駐中国大使の発言は重い。その影響力は大きい。 それにも関わらず、このような抽象的な表現でしか尖閣問題の棚上げを言えない元同僚の宮本君を私は残念に思うのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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