□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年5月30日第394号 ■ ============================================================== 破綻必至の東電が放つ腐臭 ============================================================== 福島県浪江町は5月29日、住民の代理人となって、月額10万円の慰謝料を35万円に増額する請求を原子力損害賠償紛争解決センターに行なった。 当然である。遅すぎるぐらいだ。まだ少ない。 住民が受けた原発被害の苦しみは補償などでは癒えないほど大きいからだ。 参院本会議は5月29日原発賠償特例法を成立させて、被災者が民法上の損害賠償請求権の時効(3年)が過ぎても提訴できるようにした。 当然である。原発被害が現れてくるのは長い年月を経た後からであるからだ。 もはや東電は補償問題だけでも企業としての存続は不可能だ。 それを一番良く知っているのは東電幹部に違いない。 その東電幹部と国が東電崩壊を前に腐臭を漂わせてのた打ち回っている。 それを見事に描いた記事を月刊経済情報誌ファクタ6月号に見つけた。 東京電力の下河邉和彦会長は社外取締役全員を引き連れて4月26日安倍首相を訪れてねじ込んだという。 政府の支援金ではとても足りない。政府がもっと本腰をいれて支援してくれなければ6月の株主総会前に全員辞任すると脅かしたのだ。 それには伏線がある。東電の取締役に天下った嶋田隆と安倍首相官邸の今井尚哉政務秘書官は82年入省の経産省同期であり、東電は嶋田を使って政府支援が得られると期待していた。 ところが景気浮揚を優先する安倍政権は東電支援に積極的でない。 面子丸つぶれの嶋田が今井にねじ込んで、官邸への陳情となったのだ。 安倍政権と経産省が下河邊会長を好まないもう一つの理由がある。 それは下河邊会長が民主党政権の仙谷由人氏によって選ばれた人選であるからだ。 それを知っているからこそ下河邊会長は、「安倍新政権になっても変わらずに東電を支援してくれ」と念を押したのだ。 安倍首相はその会談で下河邊会長らの労をねぎらい、「東電が直面している課題や福島の復興再生のため、国も一歩前に出たい」と表明して取締役全員辞任騒動はとりあえずおさまった。 しかし東伝の前途は真っ暗なままだ。 政府の追加支援なくしては財政破綻で「突然死」に見舞われかねない。 しかし安倍首相は国民負担の反発をおそれて参院選が終るまで支援出来ない。 再び業を煮やした社外取締役全員が政府に辞表を叩きつける場面が訪れるかもしれない。 以上がファクタの記事の要旨である。 ここに書かれている事は、政府の財政支援無くしては東電は成り立たないという事実だ。 もはや東電の破綻は時間の問題である。 しかし東電は崩壊するときでさえ見苦しく崩壊しようとしている。 このファクタに書かれている東電の断末魔の姿には、福島事故の反省や国民へ与えた被害を懺悔する姿は微塵もない。 この国の政治家・官僚・財界という支配者たちが、面子と保身でいがみ合っている姿である。 東電は崩壊する時でさえ腐臭を放って崩壊しようとしているのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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