□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年1月28日第76号 ■ ========================================================= まぼろしの玄葉外相発言がまぼろしでなくなる日 ======================================================== 誰も気づかないだろう事を書いてみたい。 もう二週間も前の事だが、1月14日の東京新聞が「外交的解決 を要請」という見出しの一段の小さな記事を掲載したことがあった。 これは1月13日に東京で行われたフランスのジュペ外相に対し て玄葉外相が伝えた言葉であるという。 すなわち緊迫していたイランの核開発問題に関する日仏外相会談 において「対話の窓口を閉じるべきではない。軍事的オプションは 良くない」と伝えたというのだ。 私はこの記事に注目した。 本当にこんなことを言ったのか。もしそうだとしたらこの日本政府 対応はイラク開戦前夜の日本の対応とは異なるものだ。 あの時はイラク攻撃を正しいと言って支持した。 この外交姿勢の違いは本当か。もし本当なら、よほどあのイラク 戦争を支持したことの誤りに懲りたのだろう。 それはいいことだ。 今度こそこの言葉を米国に向けて発してもらいたい。 フランスの外相に向かって言うのもいいが、やはりクリントン国務 長官に面と向かって言えないようではだめだ。 なによりもイスラエルに対して言うべきだ。 そしてその立場をイランにも伝えてもらいたい。 日本は米国にもイスラエルにも、そしてイランにも言おうと思えば 言える外交関係を構築してきたはずだ。 そう思ってこの玄葉外相の発言についてその後の報道ぶりを注視し てきたのだが、それから2週間何の関連情報も目にする事はなかった。 さては「まぼろしの玄葉外相発言なのか」 そう思っていたらきのう(1月27日)の国会参院代表質問で輿石 幹事長と野田首相のこんなやり取りを今日(1月28日)の新聞で 知った。 輿石「政府はイラン政府とのパイプを活用し、事態改善に努める べきだ」 野田「平和的、外交的な解決に努力することを基本として・・・ 各国と協調しながら問題解決に向けて努力する」 もちろん、このやり取りには米国やイスラエルに対して武力行使を するなと申し入れるなどという言葉はどこにもない。 それどころか輿石質問はイランに対して働きかけろと言っている。 しかし、玄葉外相の発言と合わせて考えてみれば、米国やイスラ エルに対してもイラン攻撃をはやまるな、という間接的なメッセージ になっている。 イラク攻撃の時の「米国のイラク攻撃を支持するしがない」という 態度とは異なる。 果たして日本政府はこの方針を最後まで貫けるのか。 より明確にこの立場をとれるのか。 米国やイスラエルに対しても申し入れることができるのか。 幸いにもホルムズ海峡封の危機はいましばらく遠のいている。 アハマディネジャド大統領は話し合いに応じる姿勢を見せている (1月28日読売)。 しかし、イランが核開発を放棄することはないだろう。 そうであればいつかの時点でイスラエルのイラン攻撃はありうる し、米国はそんなイランを止められないだろう。そして米国はその 場合はイスラエルのイラン攻撃を容認するだろう。 攻撃が始まった時、果たして日本はその攻撃に反対できるのか。 いや、その時こそ日本は反対しなければならない。 イスラエルのイラン攻撃が行わればイランの反撃は必至である。 戦争は中東に広がる。テロの危険性は高まる。石油輸入は止まる。 あらゆる意味でその悪影響はイラク戦争の比ではない。 その期に及んでも米国、イスラエルに従属するようでは日本も おしまいであるからだ。 まぼろしの玄葉外相発言がまぼろしでなくなる日が来なければ いけない。 今度こそ日本外交の正念場である。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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