□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年5月9日発行 第162号 ■ ───────────────────────────── 猛烈に進む原子力発電開発への疑問 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 普天間問題で大騒ぎしている裏で多くの重要な問題がなおざりにされている危険を感じる。 それらの問題については、私は普天間問題と平行して書いていきたいと思っているのだが、 その第一回目は日本の原子力発電についての最近の動きである。 今日(5月9日)の東京新聞は一面トップで次のようなスクープ記事を掲載していた。 海洋に風力発電設備を設け2020年までに原子力発電所10基分に相当する電力を作り出す。 そのような案が政府の「海洋再生可能エネルギー戦略」で考えられているというのである。 おそらく今後は、この海洋エンルギー開発だけではなく様々なエコエネルギーの開発が進む に違いない。 そうだとすれば様々な問題を抱えている原子力発電の推進よりも、原子力に頼らないエネルギー 開発に専念すべきではないのか。 正直言って私は原子力発電の問題については、専門的知識も強い関心を持たなかった。高まる エネルギー需要に対応するには原子力発電は必要悪ではないのか、安全性さえ確保されれば 原子力発電も止むを得ないのではないか、その程度の認識であった。 しかし読者からの指摘で次の事を知った。 エネルギー需要は夏場の一時期の需要ピークの対応さえ考えれば実はまったく問題はない状況で あること、そしてもう一つは原子力発電の進展が後世の世代に大きな負担を残す様々な安全性の 問題を抱えていること、とくに原子力発電は核兵器開発と紙一重であるということ、これである。 もし電力需給の現状や将来の見通しが原子力発電に頼らなくてもいいのであれば、私の認識は 根底から崩れる。 放射線の危険性を否定する者は誰もいないだろうし、核兵器開発と紙一重であることは米国が イランの核開発阻止を最大の安全保障上の問題と捉えて躍起になっている事からも明らかだ。 それに唯一の核被爆国である日本が原子力開発を進めるというのは確かに矛盾する。 ところが最近に至って、我が国の原子力開発が急速に活発化しているように思えてならない。 5月6日、高速増殖炉もんじゅが14年ぶりに再開された。 ここにきて日本の原子力発電産業が政府の支援を受けてどんどんと海外へ売り込み攻勢をかけている。 その背景にあるのは様々な利権であるのは間違いない。 ところが原子力発電に絡んだ最近の動きに関する警戒感はまるで聞こえない。 本来はこの問題に強く反対する護憲政党も、普天間基地移設問題に忙しいと見えて沈黙したままだ。 普天間問題をこじれさせた鳩山首相の責任はここにもある。社民党連立政権の矛盾はここにもある。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年5月9日発行 第162号

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