■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年6月28日発行 第237号 □■ ──────────────────────────────── ■ 隠されたイラクでの日本大使銃撃事件 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発売中のフォトジャーナリズム月刊誌 DAYS JAPAN 7月号に、驚くべき 記事を見つけた。 5月中旬にイラクのラマディを訪れていた駐イラクの日本大使一行が銃撃 されたというのだ。 なぜ私がこの記事に驚いたか。それが銃撃された小川正二駐イラク大使は、 仲のよかった2年後輩であるからだ。 その彼が元気でイラクで活動している姿を最近のテレビ報道で目にしていた ばかりだったからだ。 銃撃事件があったのは丁度その頃である。それにもかかわらず銃撃された などとは一言も報じられていなかった。 そのテレビ報道もそうだが、およそここ一ヶ月ほどの新聞も週刊誌も雑誌も、 日本のイラク大使が銃撃にあったなどということはまったく報じていない。だから 日本国民はまったく知らない。 しかし、フォトジャーナリスト森住卓氏が報じるDAYS JAPANの記事は、つぎの ごとく、現地での取材に基づいて極めて具体的な情報を提供している。 「『・・・ラマディを訪問中の日本大使の車列が病院の敷地に入ったところを 銃撃され、警護の米兵が死亡』と連絡が(私のもとに)入ったのは・・・ 5月14日だった・・・ラマディ総合病院訪問で取材した現地記者の証言から 事件を再現するとこうだ。 一部始終を見ていた病院の職員ムハマド・アフマド・ハマドは次のように 述べる。 『小川日本大使はアメリカの軍用車の警護のもとにラマディ病院を訪れた。 護衛の車両は数台。大使が車を降りて、歩いて病院の中に入った後、外で警戒に 当たっていた米軍に対してイラクの抵抗組織が発砲し、米兵一人が死亡した。 米兵は外見上ヒスパニック系のように見えた。武器はカラシニコフ銃より大きな 火器のようだった・・・大使は病院の敷地から外にとどまっていた米軍用車両に 乗せられて、ラマディの米軍基地に非難した』と述べた。 日本大使はその後、米軍のヘリコプターでバクダッドへ送られた模様だ。 攻撃を受けた米軍は、日本大使の移送を優先して、抵抗勢力に対する応戦は しなかった。 以上が事件の全貌だ・・・もし日本大使が米軍用車で来ていなければ襲撃され なかっただろう、米軍を警護に使うこと自体、市民にとって受け入れがたいこと だった、と市民は語っている・・・」 何事もなかったなら、このようなDAYS JAPAN の記事が書けるだろうか。 森住氏の問い合わせに対し、外務省の担当者は、「そういう(銃撃事件の) 情報が流されていることは存じていますが、銃撃されたという事実はありません」、 と全面否定しているという。 イラクで日本大使館や大使への銃撃事件が起きたのは、実はこれが初めて ではない。03年11月(大使館)、06年9月(大使)に、それぞれ銃撃 されている。 外務省はそのつど事実を公表していたのに、なぜ今回の事件は全面否定して いるのだろう、と森住氏は疑問を投げかける。 それよりも何よりも、現地のメディアが報じていたにもかかわらず、なぜ 日本のメディアは何も報じなかったのか。知らないからか。それとも隠して いるのか。と森住氏は疑問を投げかける。 オバマ大統領の米兵のイラク撤兵発表の後は、日本人はすっかりイラクを 忘れているかのようだ。 しかし気をつけて新聞をみると連日イラクでのテロ事件が報じられている。 米国の犠牲者となったイラクは、今も不安定なままだ。 DAYS JAPAN がこうして報じた以上、日本のメディアは大使銃撃事件の真相を 国民に知らせる責務かある。 外務省はそれを国民に発表する義務がある。 政治家は国民に代わって国会審議や質問主意書で、政府、外務省に質す 必要がある。 要するに皆がそれぞれの責任をまじめに果たせばいいのだ。あたりまえの 仕事をせよ、ただそれだけの事だ。 ──────────────── 天木直人のメールマガジン 2009年6月28日発行 237号

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