■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年6月8日発行 第215号 □■ ──────────────────────────────── ■ 米国における日本の存在感の消滅とその理由 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 少し前の記事になるが5月28日の産経新聞オピニオンコラムに、宮家邦彦 という外務省後輩OBが、米国の「知日派」に頼れる時代は終焉したと思う、 と書いていた。 彼の「知日派」の友人が、5月14日付のインターナショナル・ヘラルド・ トリビューンに日本軽視の寄稿文を寄せていた事を知って大いに驚愕した、 というのである。 しかしこのような危惧はもはや珍しくなくなった。たとえば情報月刊誌「選択」 の最新号(6月号)に、「米国の『親日派』は絶えた、日本の影響力はもはや ゼロに近い」という2ページの記事を掲載している。 その記事の最後は、さすがの私もかつて目にした事がないほど厳しい、次の ような言葉で締めくくられている。 「・・・米国での日本の影響力の低下は目を覆うばかりである。もはや止める ことはできないかもしれない。今後、影響力のある『親日派』の人物はでて こないであろう・・・」 問題はなぜそうなってしまったのかという事である。そしてその「選択」の 記事が書いている理由の中で私が注目したのは、「米国内での日系人の影響力の 低下がある」、という指摘である。 この事は中国系、韓国系米国人が米国内における政治力を格段に上げつつある 事と対照的である。それはあの従軍慰安婦問題に関する「日本非難決議」の例が 見事に証明している。 そして、米国の日系人が日本の為に活動したという話は寡聞にして知らない、 とその「選択」の記事は続けている。 私が注目したのはまさにこの点である。これは極めて重要なポイントである。 そしてその責任は実は日本政府・外務省にある。その事を私は体験的に知っている。 あれは私がデトロイト総領事の頃の話であったから、1990年代の終わりの ころであったと思う。 日系人組織が日系人記念館をワシントンに建設するという話があり、日系人組織 から日本政府、企業に寄付の要請がなされたことがあった。 それに対して日本政府、外務省、日本企業は極めて冷淡な態度をとり、それが 日系人組織を大いに失望させた。 なぜ政府、官僚、企業は日系人に対し冷淡なのだろうか。その理由がどこにある のかを断言する自信は私にはない。 しかし私の海外滞在経験からすれば、日本が日系人に冷淡であるという事は 歴然としており、特に米国においては米国政府に気兼ねして日系米人の政治的 活動に距離を置く傾向にある。 そうであれば日系米人が日本政府のために、あるいは日本人の為に積極的に 活動しないのは当然である。 日本の対米外交が弱いのは、国民から背を向けた外交をしてきたからだ。国民 を騙して米国政府と密約外交を重ねてきたからだ。 そのような反国民的な外交姿勢が海外の日系人に及ぶ事はいわば当然かも しれない。 その結果として日本外交が弱体していくのもまた当然過ぎるのである。 ──────────────────────────────────── 天木直人のメールマガジン 2009年6月8日発行 第215号 発行者:天木直人 著者ブログ: http://www.amakiblog.com/ 読者の皆様からのメールをお待ちしております。

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