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Introduction:──拉致被害者と家族には「時間がない」。そう語る総理大臣の演説だけが、毎年のように積み重なっていく。
二〇二六年九月二十二日、ニューヨークで開かれた国連総会で、高市早苗総理は北朝鮮による拉致問題に言及した。
拉致被害者の自由は今なお奪われ、家族は苦しみ続けている。「現在進行形の問題」であり、人命に関わる問題だという認識を示した上で、日朝平壌宣言に基づき、北朝鮮と対話して具体的に行動する用意があると述べた。
翌二十三日にはXでも、北朝鮮の完全な非核化と拉致問題の早期解決を国際社会に訴えたと報告している。
──その言葉に異議はない。
拉致は重大な人権侵害であり、一刻も早く解決しなければならない。高市総理は今回、トランプ大統領との会談でも拉致問題の即時解決を取り上げ、「全面的な支持」を得たという。しかし、支持が得られたことと、被害者が帰国できることの間には、まだ大きな距離がある。
日本の総理大臣が国連で決意を語る。米国大統領が支持する。それでも日朝交渉の扉は開かない。ならば問うべきは、演説にどれほど力がこもっていたかではない。北朝鮮を交渉の席に着かせるため、日本政府は何を変え、何を準備したのかということである。

