… … …(記事全文5,521文字)
■「トゥキディデスの罠」と中国4000年
中国を訪問中のトランプ米大統領と習近平国家主席が14日、北京の人民大会堂で約2時間にわたり首脳会談を行った。
中国側の発表によると、習氏は台湾問題について「処理を誤れば両国は衝突しうる」と強く警告した。一方、イラン情勢をめぐってはホルムズ海峡の開放の必要性で一致した。トランプ氏の訪中は実に9年ぶりのことである。
この会談では、「建設的戦略安定(constructive strategic stability)」なる、何とも微妙な言葉が飛び出した。一見すると耳障りは悪くない。
しかし、その実態は「米中は友好関係とは到底言えない。それでも互いに一定の果実は収穫し合う」といった程度の意味合いに過ぎないのではないか。
実に中国外交らしい。
曖昧で、煙に巻くようで、しかし完全には敵対を宣言しない、言うなれば “詭弁すれすれの外交ワーディング” という印象である。
そもそも、今の米中関係に「安定」など存在するのだろうか?
台湾問題、半導体覇権、AI競争、南シナ海、ドル体制、エネルギー問題──その全てで米中は真正面から衝突している。
特にトランプ政権復活以降、アメリカは以前にも増して「対中封じ込め」を鮮明にし始めた。
それにも関わらず「建設的戦略安定」などと言われても、どこか空虚な響きが漂う。

