Foomii(フーミー)

動物にタブーはない! 動物行動学から語る男と女

竹内久美子(動物行動学研究家 エッセイスト)

竹内久美子

パンチ君がいじめられている?

千葉県市川市動植物園のニホンザルの赤ちゃん、パンチ君が話題を呼んでいる。

海外メディアのBBC、CNN、ニューヨーク・タイムス、ホワイトハウス、マリー・クレールなども取り上げ、日本のみならず世界的な人気となっている。

 

パンチ君は2025年 7月 26日生まれ。

母親が初産であるのと夏の暑いときに産んだためバテており、育児放棄をしてしまった。

そのため飼育員が人工飼育をしたのだが、母親代わりとしてオランウータンのぬいぐるみを与えたところ、気に入り、肌身離さず持つようになった。

パンチ君が人々の琴線に触れるのは、このオランウータンのぬいぐるみにすがる様子が何とも健気だからだろう。

 

ともあれ、まずは母親の育児放棄の件を考えたいが、初産、夏バテのほかに、7月末というのはニホンザルの出産として最終も最終だということが挙げられると思う。

 

ニホンザルは秋から冬にかけてが交尾シーズンだ。

オスもメスも、顔とお尻が真っ赤になって発情していることを示すが、複数のオスと複数のメス、その子どもたちからなる集団内では婚姻は乱婚的とならざるをえない。

 

これは何も淫乱なのではなく、このような集団ではそうしないと生まれた子が殺されるからだ。

もし、メスが特定のオスとしか交わらないとすると、子の父親が誰かがわかってしまう。

そうするとその子は父親以外のオスによって殺される。

それは単に他人の子を殺すという意味に留まらない。

哺乳類の場合、乳飲み子を殺すと母親を再び発情させられるという意味があるのだ。

そうして自分の子を残すチャンスを得られるだろう。

 

ところが、メスがすべてのオスと交わっておけば、どのオスにも心あたりがある。

生まれた子を殺す理由がなくなるのである。

 

… … …(記事全文2,317文字)
  • この記事には続きがあります。全てをお読みになるには、購読が必要です。

    購読中の読者はこちらからログインすると全文表示されます。

    ログインする
  • 価格:264円(税込)

    今月配信済みの記事をお読みになりたい方は定期購読を開始ください。
    お手続き完了と同時に配信済み記事をお届けします。

    定期購読する

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2026年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2026年3月19日に利用を開始した場合、2026年3月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2026年4月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する