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Introduction:中国軍東部戦区が台湾周辺で開始した大規模演習「正義使命―2025」は、単なる威嚇や国内向けパフォーマンスに留まらない性格を帯びているように見える。
陸海空軍に加えロケット軍まで動員し、台湾の北部・西南部・東部の空海域で駆逐艦、戦闘機、無人機を投入、海上で実弾射撃まで行った事実は、訓練が「上陸」よりもむしろ「封鎖」「接近拒否」「交通遮断」に寄っていることを示して余りある。
12月30日には台湾を取り囲む五つの空海域を明示し、重要港湾の封鎖を重点的に訓練すると宣言。
ここで重要なのは、軍事目標が台湾軍だけでなく、台湾を“経由する”民間の空と海も含まれている点にある。
実際、台湾当局は国際線857便・乗客10万人超への影響を見込み、中国が飛行禁止エリアを「わずか1日前」に通知したことを国際規範違反だと非難した。
これは、砲声より先にダイヤを止め、警報より先に市場と企業の意思決定を止める手口である。
つまり今回の演習は、台湾の防衛線を試すと同時に、地域の“物流・航空の回廊”を中国が握り得るという実証実験でもある。

