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竹本良の宇宙人劇場

竹本 良(宇宙人研究家/ 科学問題研究家)

竹本 良

稲門祭若鮎会イベント
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ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00272/20221022135815100989 //////////////////////////////////////////////////////////////// 竹本良の宇宙人劇場 https://foomii.com/00272 //////////////////////////////////////////////////////////////// 明日2022年10月23日開催の稲門祭 若鮎会イベントは二部構成。 第一部はUFOドキュメンタリー映画「虚空門GATE」上映とそれに続くパネルディスカッション「進取の精神と宇宙人革命」だ。作家一銀海生(いちじょうみう)さんの司会進行で、小路谷秀樹監督、UFO議員の浅川義治衆議院議員、東京スポーツデスクの三浦伸治さん、筆跡仕事人の芳田マサヒロさん、UFO研究家竹本 良がパネラーとなり、30分の白熱討論! 第二部は若鮎会OB 3氏による講演会。「飯島衛は何者か?」をキャリアコンサルタントの山口勇さんが語り、山田俊男参議院議員が「先生に学んだ<農のこころ>」、更に元SONY韓国現法社長の塩瀬正明さんの「日韓は仲良くなれるか」。そして山口勇司会でトークセッションが行われる。 山口さんから第二部のトークセッションに竹本もどうか?と誘われたが、一部二部と出るのは流石に出しゃばり過ぎると考えて、興味のある方だけ、次の資料を配布することにした。若鮎会は基本、農学ゼミなので、飯島衛先生の科学・哲学面の補足になればよいと判断した。 ****************************************** 不肖の弟子による妄想オマケ付きの飯島衛論 竹本 良 プロローグ 恩師飯島衛(1912~1988)については論じるのが難しい。特に学生時代、社会人時代はとても無理であった。何故かというと獲物を追いかけて深い森に迷い込んだ狩人のような気持になるからだ。 先生は生物学、哲学、文学の境界領域の森を棲み処としていた。だが65歳になる今の私が、正に恩師がこの歳に私に接していたことを改めて知ることで、変な親近感を覚えることをナントカ突破力に変換し、この飯島衛論に挑戦してみようと思う。 飯島衛門下生には ①自然科学概論受講 ②農学ゼミ受講 ③結婚の際仲人をお願いできたか? という3つの関門がある。若鮎会は②の農学ゼミなので、②はクリアしているが、果たして①の自然科学概論を受講しているかどうか? 受講していない先輩もいて、「悪いけど、教科書貸してくれないか?」という場合もある。正確には 「生物学を軸にした自然科学概論」 というテキスト。 仮に①②を突破したとしても、③の仲人は極めて困難。 私は嫌がる先生夫妻を拝み倒してお願いした口だが、お陰様で①②③全てクリアの門下生となった。今なら時代錯誤も甚だしい阿呆な話だが、内輪では飯島門下のエリート(笑)となるわけだ。 実は恩師の著作は①の関門をくぐっているか、それ相応の教養を身につけていないと、読みこなせないと思う。 飯島衛先生は京大時代、左翼活動関連の交友関係が広く、恩師桑田義備(よしなり)、澤瀉久敬、今西錦司、柴谷篤弘、埴谷雄高、荒正人、佐々木基一、早稲田時代には八杉龍一など、科学、哲学、文学の巨匠らとつきあった。 元々は細胞分裂の桑田義備先生の副手で、細胞生物学を極めたかったのだと思うが、左翼活動が昂じて、 「細胞!?」 に目が留まった特高に捕まり、拷問にかけられたことがきっかけで肺を患い、細胞学者の道を断念する! この人生最大のピンチが静養中の伊東で、哲学や文学の領域に活路を見出そうというきっかけ、チャンスが到来したのだろう。因みに伊東で幸田露伴先生の碁の相手を務めた。 転んでもただじゃ起きない、飯島衛先生なのであった! 授業風景 計算してみると、恩師飯島衛(1912~1988)とは19歳から31歳までの12年間のおつきあいとなる。私からすれば、大学2年の19歳から父が亡くなって会社を継いだ31歳まで。先生からすれば、64歳の時にUFOとかオルゴンエネルギーとかやっている変な若者に運悪く遭遇してしまったことになる。 私は初めての授業で先生に開口一番、怒られてしまった!「そこの!イチャイチャしてるんじゃない!早稲田の男は惚れやすくて困る!」と、教室では稀にしか出会わない女子学生と話し始めたその瞬間であった。ありゃりゃ、え~っ? 高校ならまだしも、大学の授業で怒られるってありかよ!? なんだ? この先生は!? これが飯島衛教授の第一印象であった! 授業が始まると、0章! テキストの「生物学を軸にした自然科学概論」には0章なんかない。つまりプロローグのつもりで0章なのである。高校では、物理、生物、化学の授業はあるものの、トータルして「自然科学」のくくりはない。その自然科学の全体像を生物学を中心に学習する授業なのだった。 この自然科学概論は飯島先生が東京医科歯科大学の講師をしていた時に医学生に医学概論として使ったテキストが基になっている。医者の卵たちを前に顔を赤らめるような恥ずかしい授業をしたと、先生は後にトラウマ的に後悔しているが、澤瀉久敬先生の医学概論を東京医科歯科大学で挑戦したのだろうと、私は推察する。 澤瀉先生は元々京大の哲学者だったが、仏蘭西留学の際に知り合った阪大の久保秀雄教授に説得されて、阪大講座「医学概論」の担当教授になる。メーヌ・ド・ビランやアンリ・ベルクソンの研究者が医学部で猛勉して、こさえたのが医学概論。 飯島衛はその澤瀉先生と細胞分裂の桑田義備先生を引き合わせた張本人。澤瀉先生は桑田先生の仕事のやり方を基本に据えて、医学概論の創始者となる。 その仕事の方法とはある問題に取り組んで、夜中に着想が山のように膨れ上がる。あーこれだ!と夢から醒めて、起きてから、その着想に一日かけて取り掛かる。これが本当の仕事だというのだ。え~っ、マジっすか!?つまり原始渾沌から着想をえようということなんだろうか? 私の受講した自然科学概論はそんな医学史的背景をもっていることに気づいたのは、阿久津淳の名前で「医聖」を執筆する30代前半のことである。 天才と秀才 「天才には近づくな!」 恩師飯島衛先生は何度もこの言葉をつぶやかれた。学生時代の私の解釈ではこうだ。桑田義備、ドストエフスキー、ベルクソンなどを研究された先生は、天才たちの膨大な著作や論文、しかも深遠な思想を理解するのに途方もないエネルギーを費やすことの大変さを吐露されたのかなと思っていた。だがどうも違う! 立正大学UFO研究会(URI)の顧問が科学史家中村禎里先生で、高野誠鮮さんたちと打ち上げ会やっていた時、こんなエピソードを中村先生から聴いた。ダーウィン研究の八杉龍一先生のなんらかの祝賀会で、飯島先生がスピーチをして、「東大出身は秀才に過ぎず、京大出身は天才なのだ」 とのたまわったとか。で都立大の中村先生は 「じゃあ、都立大の俺は凡才か?」 と。中村先生はルイセンコ問題やウィリアム・ハーヴェイの血液循環説の研究で有名な科学史家。 若鮎会のS女史にも「結婚するのだったら、早稲田はやめた方がいい。するなら京大だ!」と何度も語っていたらしい。今ならセクハラ、パワハラの話になってしまうが、当時は半ば冗談のように受け止めたもの。最近知ったのは、S女史は配偶者にやっぱり早稲田を選んだとのこと。 飯島夫人は私のことを笑いながら「暇人」と呼ぶ。何故かと聞くと、飯島のイベントには必ず参加し、何時間もボサーっといるからだという。その奥さんがある時、怖い話を開陳された。先生が夜な夜な包丁を持って一緒に死のう ! みたいな迫られ方をしたというのだ! えーっ? まじ!? 精神医学の島崎敏樹先生に患者として東京医科歯科大学に通院していた話などを聞き、総合的にみると、飯島衛先生は昔なら精神分裂症、今では統合失調症の精神疾患だったのではないか?と推察できるのではないか?  あんまり強く批判した学生が自殺したという逸話を先生自らお話されたとこともあり、確かに先生に冷徹に批判されると、逃げようがない!まるで包丁の切れ味なのだ!「天才には近づくな!」というのは、正に天才たちの病理性をとことん熟知した先生の名言だったのである! 部分と全体 細胞分裂の研究は光学顕微鏡の細胞レベルから電子顕微鏡、X線回析のDNAレベルへの移行期だったので、京大の副手を病魔で断念せざるをえなかった飯島衛先生は、ある意味、ラッキーだったのかもしれない。そしてミクロの細胞生物学の世界から、哲学や文学のマクロの日常生活に活路を見出していった。このミクロとマクロの複眼は飯島衛を語るうえで極めて重要と思われる。 実験についても、実験に明け暮れていると、何か凄い仕事をしているような気になるがそれではいけない。まず実験の考案に十分時間をかけ、実験後も十分考察をし、その実験結果は生の自然に照らし合わせなくてはならないと説く。優れた科学研究はその考案された実験で決まるというのだ。 生物学についても斉一性ばかりを追ってはダメで、生物の形などの形態学を考えないとならない。デカルト機械論で生命を語ることはできないし、ましてヒトのこころは科学では解明できない。機械論と有機体論の間を飯島衛先生は観ていたことになる。 多様性と個性、類と個、様々なる物象、全体と部分などを生物学から脱しつつ、人間学として確立しようとしていたのだ。「先生、人間学って、人間を科学の対象にするのはあんまりじゃないですか?」「君たちをみていると、いろんなことがわかってくる」 えーっ!?僕らは実験動物なのか?呆然!いつの間にか人間観察が先生の研究テーマになっていた。 飯島夫妻に仲人を頼んだ結婚式でも先生は仲人のあいさつで、授業と同じような長時間の演説をしてしまった! 困ったのは友人の司会者。出席者は飲まず食わずのお預け状態!「角を矯めて牛を殺すわけにはいかない」とか大演説。私は、あ~、そうみられてたんだなあ~と感慨深い思いがしたが、若鮎会同期の得能君は 「先生に頼むからこうなるんだ!」と大笑い。 先生は 「UFOはいい加減にしとけ!」 と学生時代にいっていたが、結婚時には諦めたとみえて、「どんな道でも一目置かれればそれでいい」 という発想に変わっていた。自分の弟子には変な学生がいて、UFOやっている。 どうも周囲の左翼仲間にいっていたようで、佐々木基一先生からは 「こいつか!」 みたいに妙にジロジロ観られたような気がしている。 ただもう一つのオルゴンだけは、希望がもてた!飯島先生の論文に、細胞分裂の際、蛍光色の発光を観察していた!そのことを私が指摘すると、「オルゴンはあるかもしれない!」といったのだ!こうして私の「マージナルサイエンティスト:異能科学者列伝」誕生のきっかけができたのである。 左翼過激派!? 飯島衛先生はどうも父親とうまくゆかず、いわゆるエディプスコンプレックスが強かったようだ。家父長制度的なものは一切うけつけず、それ故、資本主義的なもの、あるいは古い早稲田体質には拒否反応を示した。退職間際に起こした早大商学部教授の不正入学事件の内部リークは門下生もまた動揺し、若鮎会O君は後に中国新聞に入ったが、「あれはひど過ぎる!」と絶句した。私は先生ならさもありなんと、逆に評価した少数派であった。 「ご主人は早稲田がお嫌いなのかしら?」 と同僚の教授夫人からいわれたと飯島夫人はぼやいていた。今の早稲田大学は実力ある他大学出身の優秀な先生を半数またはそれ以上(?)招聘しているようだが、昔は殆どが早稲田出身で、飯島先生は京大出身なので、異質な分子として煙ったがれていたのかもしれない。 「つまらない授業は受けるんじゃない!ボイコットしろ」 飯島先生は授業中にも過激なことをいった。具体的に教授名いっていたような記憶もあるが定かではない。早稲田の教育の質の向上のためにいっていたのだと善意に解釈したい。確かに学問はナアナアではできない。また教授の息子だから早稲田の入試を甘くすることはしてはいけない筈。 飯島先生は徹頭徹尾左翼だった。農学のゼミも資本主義を批判する福武直の著作などを使い、たった一冊で飽きてしまった私には毎週苦痛であった。早大高等学院→早大と、好きな本しか読んでこなかった私には地獄の苦しみで、授業中、一度泣き出してしまった。 「私には志向性というのがあるんです」 すると先生は、ほかのゼミ生に向かい、ジロッと睨みつけて。「お前ら、凡人になるんじゃないぞ!」 といい放ち、立ち去っていった。 恥ずかしいが、今となっては懐かしいエピソード。 私はノンポリであるが、エンゲルスやレーニンの自然弁証法には感銘し、マルクスの類的存在に共感している。レーニンの「残るは方程式ばかり」から虚数宇宙論が生み出され、宇宙弁証法に至り、マルクスの類的存在は地球人≪類的存在≫に昇華している。 大学卒業後しばらくたって、若鮎会T君からこんなメッセージが入った。 「いやあ、大変な目にあったよ。就職したH社では飯島ゼミは過激派と認知されていたんだ!」と。10/23の稲門祭にT君は果たして来るだろうか?その後、労組に廻されたT君はしっかり過激派として活動できたものか? 楽しみ楽しみ!            エピローグ 何度も触れるように、恩師飯島衛の恩師は桑田義備先生であった。飯島衛先生は時々懐疑論のデヴィッド・ヒュームを引用し、その思想に感化されているように、疑うことを前提とした。だが、こと恩師桑田義備先生に対しては別格として、まるで疑うことを忘れたかのように桑田先生の聞き役、話し相手に徹していたようである。 「染色体構造の研究」で文化勲章を授賞された桑田先生は学士院の用事で上京されると、飯島先生と論じ合った。「あの先生は原始渾沌という不思議なことをいうんだ」 この原始渾沌については流石の飯島先生も理解に苦しみ、相当突っ込んで懐疑的に質問された様子で、桑田先生はご丁寧に、2回に分けて、長いまるで論文のような書簡を飯島先生に渡している。 飯島先生亡くなった後しばらくたって、「この2つ書簡でてきたから、暇人にあげるわ」と飯島夫人から頂戴している。大事なものなのでうっかり失くしてはと思い、「虚空にあそぶ」 という帯津良一先生との共著に一つの書簡の内容をそのまま紹介している。 桑田先生の座右の銘は 「一、太虚 二、ゆっくり急げ 三、努力」 である。つまり桑田先生の原始渾沌はこの太虚を学術的に表現されたようなのである。北宋の張戴によれば、太虚は気の原初態で、万物は気の運動の一時的・局部的現象とのこと。桑田先生の原始渾沌はそこから来て、そこに還るだけではなく、物質と生物とでは異なり、生物はエーテルを活用しているかのチャート図を作成している。  私はこの原始渾沌を虚数宇宙と理解している。このほんまもんの宇宙を異能宇宙とすると、異能宇宙=虚空+時空であって、科学者の観測する宇宙は時空(時間空間)、仏教や神秘家のいう虚空、あきゃしゃ、アカーシアは虚数宇宙のこと、  学問は実に果てしなく、それに引き換え、ヒトの命は短い! ヒトを中心におくと、「人生短し、学成り難し」だが、学問の側からみると、「ARS LONGA VITA BREVIS」ちっぽけな人生に較べて、学問は積み重ねていく壮大な物語となる! ソクラテス、プラトン、アリアリストテレスのように、ホントは全く異なる思想だけど、沈殿してゆく部分、それが早稲田の校歌の「学の独立」なのかもしれないネ?  本日の稲門祭 若鮎会イベント、どうぞ最後までお楽しみください! //////////////////////////////////////////////////////////////// 本ウェブマガジンに対するご意見、ご感想は、このメールアドレス宛に返信をお願いいたします。 //////////////////////////////////////////////////////////////// 配信記事は、マイページから閲覧、再送することができます。ご活用ください。 マイページ:https://foomii.com/mypage/ //////////////////////////////////////////////////////////////// 【ディスクレーマー】 本内容は法律上の著作物であり、各国の著作権法その他の法律によって保護されています。 本著作物を無断で使用すること(複写、複製、転載、再販売など)は法律上禁じられており、刑事上・民事上の責任を負うことになります。 本著作物の内容は、著作者自身によって、書籍、論文等に再利用される可能性があります。 本コンテンツの転載を発見した場合には、下記通報窓口までご連絡をお願いします。 お問い合わせ先:support@foomii.co.jp //////////////////////////////////////////////////////////////// ■ ウェブマガジンの購読や課金に関するお問い合わせはこちら   support@foomii.co.jp ■ 配信停止はこちらから:https://foomii.com/mypage/ ////////////////////////////////////////////////////////////////

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