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年末にショッキングな出来事があった。
神奈川県海老名市で起きた、子ども3人を手にかけ、自身も自殺しようとした母親の事件である。
事件発生を知らせる第一報、少し詳しい状況がわかり、母親が逮捕されたことを報じる第二報に続き、さらなる続報が出ることを期待していたが、なぜか出てこない。
以前にも同様の事件がぱたりと情報を閉ざしたことがある。
昨年12月29日夜10時50分ごろ、神奈川県海老名市に住む男性が帰宅したところ、床に倒れている3人の子どもを発見。
119番通報をし、救急隊が駆け付けたが、3人とも意識不明の状態であり、搬送先の病院で死亡が確認された。
救急隊が駆け付けた際、男性の妻で3人の子の母親は自殺を図り、ロープで首をつろうとしていたが、救助された。
警察の調べによると母親は、29日午後3時半頃、長男(9歳、中1)の頭を殴るなどして殺害したことを認めたため、30日、殺人の疑いで逮捕された。
また長女(15歳、中3)と長男には鈍器で頭を殴った後、首を絞めているが、次女(13歳、中1)は殴らず、首を絞めたということもわかった。
状況からして無理心中と考えられる。
母親は49歳、会社員である。
実はこの母親は長男の不登校と癇癪についてかなり悩んでおり、厚木児童相談所は2023年3月から相談を受け、既に12回の親子面談を済ませていた。
12月にも面談予定があったが、それは2025年1月に延期されていた。
年末年始に誰にも相談できない空白の時間ができたということだろうか。
さらに海老名市教育委員会も相談を受け、2024年11月に長男が通う学校の臨床心理士(スクールカウンセラー)が子育てに関し、母親と話しあっている。
そんな中起きてしまった事件だが、事件を報ずるニュース動画には、単にこの母親の独善や傲慢に原因を求め、ついでに己の憂さを晴らすかのようなコメントが多い。
・母親に殺されるなんて最悪。しかも自分は助かっている。
・子を殺すメリットなんてないだろう。
・子は親の所有物ではない。
・子どものことを考えたら、こんなことできない。
・どんな良母でも子を巻き込んだ時点で極刑しかない。
しかし事件から数日経過し、ある精神科医が自身のチャンネル内で語ったところによれば、児童相談所やスクールカウンセラーは子どもの側に立つ存在であり、「お母さん、頑張れ」としか言わない、母と子の双方に別々の精神科医が必要である、と専門的な立場から事態を客観的にとらえている。
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