… … …(記事全文2,895文字)「京都食堂探究――「麺類・丼物」文化の美味なる世界」(加藤政洋・味覚地図研究会著・880円・筑摩書房)
*「たぬき」は、京都・大阪・東京でまったく違う?
*しっぽく、のっぺい、けいらん……麺料理の謎を追う
*衣笠丼、木の葉丼、他人丼、カレー丼など独自の丼物の世界
*あんかけ! ちゃんぽん! 魅惑の町中華
*「ねぎ」の切り方は、小口切りか、斜め切りか etc.
唯一無二の食堂文化を徹底研究!
きつねうどん、しっぽく、けいらん、のっぺい、ちゃんぽん、衣笠丼、木の葉丼、カレー丼……京都の食堂は歴史の中で、「麺類・丼物」を中心にして独自の発展を遂げてきた。うどんも丼物も中華もある京都食堂の魅力とは? 食いしん坊の地理学者たちが店に足を運び、味わい、観察し、文献を渉猟して、謎多き京都食堂文化に迫る。待望の研究書が、文庫書き下ろしで、ついに登場。
誰が呼んだか、「麺類・丼物一式」・・・これ京都の食堂の決まり文句です。
麵類のみならず丼飯の上に置かれる具材にはいかにも京都らしいものばかり。
食堂のメニューならぬ「メニゥ」にはほかにも「寿司」まで用意されています。海なし街ですから江戸前流の「にぎり」など望むべくもありませんが、「いなり」「巻き寿司=太巻き」はたいていどの店にもあります。「いなり」と「巻き」のコンビ=助六もあります。
力餅、夫婦餅、鳥餅、肉餅などのうどん類はもちろん、中華そぼにも餅が入ります。これら餅系食堂の経営者は兵庫県但馬地方出身の人たちが、20世紀を通じて、のれん分けが繰り返された結果、京阪神で一大勢力となったとか。
さて、私も京都に4年間住んでいて、たまに出前をとったりすることがありました。地元の横浜ではいつもカツ丼にたぬきそばをとってたので同じように注文すると・・・奇妙な食べ物が紛れ込んでおりました。
「たぬきそば頼んだのにあんのかかった奇妙に甘ったるいのがきた」
注文を聞き間違えたんだな。ま、いいか。たぬきを注文したのにきつねにつままれた、という
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)