… … …(記事全文2,297文字)「紫式部はなぜ主人公を源氏にしたのか 前編」(井沢元彦著・1595円・PHP)
『源氏物語』は、藤原道長の娘である彰子が一条天皇の寵愛を得られるように、道長がパトロンとなって、紫式部に執筆させたといわれますが、物語では明らかに藤原氏と思われる右大臣家は、権力を笠に主人公の光源氏に圧力をかける敵役として描かれています。
藤原摂関政治のピークに道長が自ら出資した物語で、なぜ藤原氏を主人公にしなかったのでしょうか。
大河ドラマでは決して描かれない道長の思惑とは何なんでしょうか?
大河ドラマ『光る君へ』、いよいよ『源氏物語』を書き上げて宮中に乗り込んだ紫式部。これからの展開が本番でますます面白くなりそうです。
視聴率は少しずつ落ちてますが、オリンピックの影響でしょうか・・・若者のテレビ離れでしょうか。
いや美男美女の出てこない『源氏物語』はそもそも成立しませんよね。タッキークラスを用意しなくちゃ。源高明、源融はだれがやったんでしょうか・・・途中から見だしましたんで知らないんです。
さて・・・。徳川の天下が確立した江戸時代、徳川将軍の御台所に仕える奥女中が「豊臣物語」を書いて、「豊臣家のプリンスがライバルを倒して天下を統一する」という話を書いたらどうなると思いますか? こっそり書いたとしてもバレれば間違いなく死刑必至でしょう。
しかし藤原道長は紫式部が「源氏が勝つ」物語を書いてるのを、堂々と応援していて娘にも読ませていたのです。
外国人ならこんな話は絶対信じません。そんな話が書かれること自体ありえませんから・・・。
でも現実に『源氏物語』は書かれました。ということは、外国と違う「何か」が日本にはあるということです。
それはなにか? 日本人ならわかりますし、当然すぎて、逆に気づかないかもしれません。どこが不思議なの? 当然でしょ? そんな感じです。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)