… … …(記事全文2,993文字)「紫式部はなぜ主人公を源氏にしたのか 後編」(井沢元彦著・1595円・PHP)
わが国初の太政大臣はだれかご存じでしょうか・・・。
天智天皇の皇子である大友皇子です。続いて、その後、高市皇子、藤原仲麻呂、そして道鏡が就いています。
太政大臣とはいまでいえば、内閣総理大臣にあたるものです。
道長の時代が藤原北家の全盛時代でした。しかし、「北家の中の摂関家は道長の嫡子だけが継ぐ」と彼自身が決めてしまったために、身内となる公卿の絶対数が激減してしまいます。平たく言うと、藤原一族内の人材不足に陥ってしまうわけです。
「嵯峨上皇、文徳天皇の死に関して、良房が関与している」と井沢さんは推理しています。
この世で名声をなした者は極楽浄土へも行きやすい。『栄華物語』が道長を弘法大師や聖徳太子の生まれ変わりだ、と書いたのも裏付けがあってのことでしょう。
道長は御所の東に贅を凝らして作った法成寺で生涯を閉じます。死に際して阿弥陀仏の手と自分の間に五色の糸を結びつけ、大勢の僧の読経が響く中での往生だった、とされています。何としても極楽浄土に導かれたい、という執念がみて取れます。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)