… … …(記事全文2,342文字)「宿帳が語る昭和100年 温泉で素顔を見せたあの人」(山崎まゆみ著・1980円・潮出版社)
西城秀樹さんも、松田優作さんも、志村けんさんも、樹木希林さんも、温泉ではすべてを脱ぎ捨て「素顔」に戻った――。
どんな大俳優や国民的アイドル、大作家、アーティストも、地位や名声、肩書といった重い荷をふっと下ろしてしまう魔力をもった「湯宿」という場所。その不思議な力の源泉はどこにあるのだろうか。
彼らを迎え入れた宿の主人や女将のふるまいや、宿が辿ってきた歴史や地域の風土、そして「昭和」という時代の空気から読み解く。
長年、温泉の魅力を取材し内外に発信し続けてきた著者の、新境地を拓く渾身の一冊・・・とのことです。
「本書のテーマは、昭和という時代を温泉地や宿という場所から描くこと。湯宿は時代を顕著に表しています。エピソードを挙げながら昭和を振り返ってみたいと思いました」
昭和の初期、湯宿は地域の名士が営んでいました。経済的に豊かだったオーナーたちは文化芸
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)