… … …(記事全文2,523文字)「詐欺師×スパイ×ジェントルマン:パトリシア・ハイスミスとジョン・ル・カレの作品を読み解く」(鱸一成著・1760円・幻冬舎)
詐欺師とスパイは、どこか似ている・・・サスペンスの女王パトリシア・ハイスミスと、スパイ小説の大家ジョン・ル・カレ。2大巨匠の作品を、キャラクター造形に注目して読み解く本格評論!
ハイスミス作品屈指の人気キャラクター、田舎紳士に成り上がった詐欺師リプリーと、ル・カレの描く『スマイリー三部作』でイギリス紳士の素顔に仮面を着けて諜報機関に尽くすスマイリー。
自分を偽り、他人に成りすます、歪んだ世界の行く末は?・・・とのことです。
熱烈なファンがたくさんいますよね。
わが国で言えば、松本清張といったところでしょうか・・・いや、比較したら悪いな、松本清張先生に。
映画になった「見知らぬ乗客」は何回も見ました。巨匠アルフレッド・ヒッチコックの傑作のひとつです。
クレア・モーガン名義で書いた長編作「キャロル」は全米ミリオンセラー。これまた映画も見ましたよ。ケイト・ブランシェットがなんともいえない雰囲気のいい女。女性が憧れるのもわかります。
LGBTQのいまなら、ハイスミス名義で出版したでしょうね。
一般的に知られるのは長編4作目「太陽がいっばい」でしょ。アラン・ドロンの出世作。ニーノ・ロータの音楽。
アンソニー・ミンゲラ監督『リプリー』はリメイク。こちらはマット・デイモンがトムを、ジュード・ロウがフィリップを演じました。やはりアラン・ドロンでしたね。ヒットの桁が違います。
貧しい青年トム・リプリー。大富豪の息子フィリップの友人。フィリップは、ことあるごとにトムを見下していました。トムはある計画を立てます。2人だけでヨットで海に出て殺す。死体を海に投棄。
サインも練習してなりすまし大金をせしめる。だって、詐欺師なんですから。
計画は成功・・・あのラストシーン。やっぱりアラン・ドロンじゃないと・・・。
原作はいずれもパトリシア・ハイスミス。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)