… … …(記事全文3,248文字)「つかこうへい正伝Ⅱ 1982-1987 知られざる日々 後編」(長谷川康夫著・3300円・大和書房)
「役者を食えるようにするために芝居をやっている」とつかさんは言い続けていましたし、劇団が解散した時の大きな理由も「役者が食えるようになったから」でした。
もちろん100%信用してはいけません。しかし、まったくの嘘でもない、と著者はいいます。
劇団解散公演の演目は「蒲田行進曲」。もちろん、新宿紀伊國屋ホール。70日間90ステージ。29歳の著者。出演料はサラリーマンの年収の倍だったそうで、けっしてメインではない役でも2年以上何もしなくても生活できるギャラがもらえていたことになります。
劇団の人数は限られていました。おそらく、つかさんは自己責任で完結できる舞台や作品、そして役者にギャラを払える範囲を計算してたと思います。
映画や大舞台だと小さな役がたくさん出てきますよね。通行人AだとかBとか・・・つかさんの芝居は登場人物にはすべてフルネームがついてます。つまり、「その他大勢」という抽象的な役をつくらない。そして、それぞれに見せ場を必ずつくる。警官、店員、運転手ではなく、きちんと名前があるんです。
人数が少ないからできたことでもあります。みな主役にしたかったんだ、と思いますよ。照れ
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)