… … …(記事全文2,315文字)「つかこうへい正伝Ⅱ 1982-1987 知られざる日々 前編」(長谷川康夫著・3300円・大和書房)
「役者がウケてんじゃねぇ、俺がウケてんだ! 」
『熱海殺人事件』『蒲田行進曲』『いつも心に太陽を』などで知られ、70-80年代に「つかブーム」を巻き起こした劇作家・演出家つかこうへい。
空前の「つかブーム」を生んだ黄金期に光を当て、伝説の〝口立て〟稽古、熱狂の「つか芝居」、そして人間・つかこうへいを鮮やかに描き出す、比類なき評伝!
若き日からブーム頂点での劇団解散までを描き、講談社ノンフィクション賞ほか受賞。
続編が描き出すのは、つかこうへいさんの80年代。
82年の劇団解散から、89年の「演劇活動再開」までの期間は、つかつんの年表でもこれまでほとんど顧みられることがなく、いわば空白の期間となっていました。
この期間、もっともつかさんと行動をともにしていた著者が、80年代のつかさんの姿――映像作品にかける日々、大竹しのぶさんとの口立て稽古、沖雅也との関係、祖国韓国での『ソウル版熱い海(熱海殺人事件)』公演など、初めて明らかとなる事実を活き活きと描き出しています。
特別付録として、「つか芝居」を彩った風間杜夫さん、平田満さんと、つかさんの演出・エピソードを語り尽くす座談会、愛娘・愛原実花さんとの対談、巻頭には、未公開写真を中心とする写真集を収録された、必携の決定版評伝です。
「つかこうへいに関してもう二度と何かを書くことはない」
「覚悟はしていたが、わけのわからない長谷川康夫なる男の青春記じゃないか」という非難があちこちから。
「まだ残ってるんじゃないですか? 前作以降の劇団解散からまた芝居を始めるまでの何年か、そのあたりあまり知られてませんよね。記録も少ないし」と朝日新聞ネット記者から電話。
締め切りに追われるわけじゃない。始めてしまいました。
つかさんが亡くなったのは2010年7月10日。
いまの世代の印象は?
「もちろん名前は知ってるよ。今でもその人の作った芝居よく上演されてるもの。俳優の○○さんが出るってネットで見たよ」
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)