… … …(記事全文2,601文字)「仏教語源散策」(中村元編集・1012円・KADOKAWA)
我々日本人の生活や思考感情の中には 仏教に由来するものが非常に多くあります。自覚していようといまいと、既に生活の中にかなり溶け込んでいる言葉がたくさんあります。
たとえば、「倶舎論」には「人間五十年下天一昼夜」とあります。
人間とは人々のこと。五十年という寿命の中で下天一昼夜すなわち、儚く一昼夜の出来事に過ぎないというわけです。
戦国時代の武将、織田信長がドラマで描かれるとき、今川義元との桶狭間の合戦に先立って・・・♪人間五十年下天の内を比べれば夢幻のごとくなり、と歌いながら舞う。謡曲「敦盛」ですよね。
これは「倶舎論」が原点なんです。
私たちは須弥山の四方にある 4つの州に住んでいる、とされています。
下天とは須弥山中腹の四方にある四王天で、ここの一昼夜は人間の50年に相当することになっているそうです。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)