… … …(記事全文3,563文字)「〈銀の匙〉の国語授業」(橋本武著・946円・岩波書店)
灘校で中学3年間をかけて『銀の匙』1冊を読みこむという授業を続けてきた橋本先生の実践的授業。
「国語はすべての教科の基本であり、学ぶ力の背骨」という伝説の教師が国語の学び方を伝えます。
「早急に答えを求めてはいけない、すぐに役立つものはすぐに役立たなくなります」
「学び」の原点に気づかされる1冊。
戦後、公立校のすべり止めだった灘校で、文庫本『銀の匙』だけを3年間かけて読むという空前絶後の授業を始めます。
明治の虚弱な少年の成長物語を横道にそれながら丁寧に追体験。五感や季節感を大切にしながら進められる授業は、生徒の興味でどこまでも脱線していき、子どもたちは自分や友人の“個性”に気づくようになります。
1学年200人中高一貫。6年間を繰り上がりで1教科1教師担当制で、『銀の匙』授業を受けられたのは30年間でわずか1000人。
『銀の匙』授業3巡目の昭和43年卒業組は「私立初の東大合格者日本一」になります。合格率では以前からダントツでしたが、合格数でも日本一になります。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)