… … …(記事全文2,384文字)「価値観が変わる」と聞いて避けてきたけれど、いってみたら「書かれ続ける理由」がわかったインド、首から完走メダルを提げたまま初老の紳士と親指を突き立ててうなずき合ったスペイン、自分の好みにおける「めんくい」が多いことに気づいた香港……。
旅好き作家がいく先々を歩き回り、走り、感じたあれこれが詰まった傑作旅エッセイ。
いきたくないのにと思いつつ旅に出る贅沢・・・。
「街角のタバコ屋まで行くのも旅」といったのは吉行淳之介。
「はじめてのお使い」じゃあるまいし、と思いながらも、人の精神が移動すれば旅。肉体が移動しても旅ではないのでは?
「前世はイタリア人?」と霊能者に会うたびに言われた。おおらかというか、いい加減というか、まっいいか、が口癖。基本的にクヨクヨしない。というか、最初から望まない。人生思うようになるわけがない。なったら怖い・・・イタリア人はバカじゃない。というより、何人でもいい。諦観がベースにある、絶望や地獄がベースにある、「無」がベースにある。
だから人生のBS、PLは減りようがない。
旅も点から点への移動ではありません。それなら出張。スタートはあるけどゴールがない。計画表もない。出たとこ勝負。
著者は八丈島に行ったら、これから台風が来て夕刻の飛行機はすべてキャンセルとか。何日間か留め置かれると思いきや、仲間の誰かが、いますぐ船で帰ろう、と提案。5分後にホテルを出た。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)