ダイモニオンの声とはソクラテスだけが聴くことのできる内心の声とされる。制止の声ともいわれ、ソクラテスのやらんとする思考や行動に制限をかける。

私は学生時代、この話を知り、なんじゃろなと思っていた。なんでGO!でなく、STOP!なんだろうと。だが解剖学者養老孟司先生がyouTube動画で「意識の役割は静止すること」といわれ、あ～これかな？と思うに至ったのである。

つまりヒトはほっぽっとくと何やるかわからんほど自由三昧に動き回るが、意識はそれを制御し、適切な行動を選択するというわけだ。エントロピー増大の方向に向かってしまい、収拾がつかない。

サイバネティクスのノーバート・ウィナーも睡眠中、必要ない方程式が消されてゆき、残った式が正しいとか、不思議なことを言っていた。

膨大な情報量の中から一つの解を見出す試み、行為なのかもしれない。明後日開催されるシュンポジオン（饗宴）でも演者、パフォーマーの「ダイモニオンの声」が決め手となるに違いない。司会進行役の私、竹本良（阿久津淳）も時々立ち止まり、ダイモニオンの声に従い、進行しなくちゃね？


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