ウェブで読む:https://foomii.com/00263/20230809190320112519 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ASKA サイバニック研究所 ●能・狂言の「打ち杖【づえ】」は人柱? 2023年☓☓月☓☓日 ─────────────────────────────────── 和歌山県日高郡日高町に伝わる「安珍・清姫伝説」を元にした能「道成寺【どうじょうじ】」は、清姫が恋焦がれた若い僧の安珍を追い、寺の釣り鐘に隠れた安珍を情念で焼き殺す女の業の深さを表している。 葛飾北斎は、その後の「道成寺」を描いた「道成寺図」を紙本着色一幅にまとめ、鬼女と化した清姫が吊り鐘の再興を邪魔しようと出現、シテ柱に巻きつけながら妖力を用いる「打ち杖」を右手に、僧侶たちとの攻防を描いている。 そこで気になるのが、刀でも金棒でもない、只の寺の喚鐘【かんしょう】を鳴らす「撞木【しゅもく】」のような杖を振り回すだけで、僧侶が吹き飛ぶ光景は異常で、「打ち杖」が登場する演目は、「道成寺」だけではなく、「鵺【ぬえ】」「紅葉狩」「春日竜神」など、どれも鬼、怨霊、天狗、龍、異神の武器として登場する。 狂言でも「靱【うつぼ】猿」「釣狐」等に登場し、どれも竹で出来た杖で、能は長さ70センチほど、狂言は60センチほどで、能の方は、細竹に曲によって「紺」「白」「赤」「萌黄」などの布を巻き、狂言の方は赤竹を使う。… … …(記事全文8,673文字)
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