… … …(記事全文5,644文字)「NHKラジオ深夜便 絶望名言 後編」(頭木弘樹・NHK制作班・根田知世己・川野一宇著・950円・ 飛鳥新社)
大学3年で発病。13年間の寝たきり生活。
「どうして僕だけ?」
「なぜ私が?」
わが身の不幸、運命を呪ったでしょうね、ふつうは。こんな病気に産んだ親をウランだかもしれません。というか、親御さんが罪の意識を感じていたのではないか、とも思えます。
「あわてず、あせらず、あきらめず。肝に銘じてじっと治るように心がけなさい」
医師に言われたそうです。今もよく暗唱しているとか・・・。
私はこの世の中でいちばん強い人は、自分を励まし続けられる人だ、と思っています。いろんな本にも書いたと思います。けど、あまりいませんね。
他人を励ますのは簡単なんです。いたって簡単です。でも、当事者になったとき、平静でいられるかどうか、ここがキモです。
「神は耐えられない苦しみは与えない」と漫画の「JIN」にあります。そうは言ってもね・・・本人は大変なんですよ。逃げ出したくなるし、人を羨みたくなるし、なんたって、絶望に落ち込んでしまうんです。
エリザベス・キューブラー・ロス博士は、死を受け容れるまで、人の心理的葛藤についてリサーチしました。諦観そして受容、そこから平安が生まれます。つまり、俎板の鯉。あとはどうなと好きにしてくれ、どんな難儀も引き受けるぜ、という気概・・・やけくそ?やぶれかぶれ?自暴自棄?・・・なのかもしれません。
けど、これが前向きに闘うエネルギーに変わるんじゃないでしょうか。知らんけど・・・。
著者は、カフカを「絶望名人」と呼んでいます。暗い言葉なんか聞くと一緒に落ち込んでしま
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