… … …(記事全文3,464文字)「媚びない力 後編」(杉良太郎著・721円・NHK出版)
時代劇は好きではないとかそんな甘えたことは言ってられない。絶対にNGを出さない、と決めて取り組んだ。
それには事情があるんです。2つ問題がありました。
今はデジタルで何度も撮影できますから楽です。当時はNGを出すとフィルム代を払わなくちゃいけない。だから、トチる役者が来ると撮影部は嫌がります。
NGを出すのはたいてい最後に一言しかセリフがない人。長いセリフの人は集中して撮影に臨むのでトチらない。松重豊さんの本の中で同じような話を聞きました。もしかしたら松重さん?
最後の最後で、一言ポロッとNGを出す。自分のたった一言のせいで最初から撮り直し。頭の中は真っ白。プレッシャーがかかってNGを2回3回と繰り返す。そうなると、スタッフが机の上にセリフを書いてあげてもダメです。休憩が入って明け方の3時4時まで撮影が続く。
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