… … …(記事全文2,833文字)「2030 半導体の地政学(増補版) 戦略物資を支配するのは誰か」(太田泰彦著・1980円・日経BP 日本経済新聞出版)
経済安全保障をめぐる知られざる攻防戦・・・。
ベストセラーになった『2030 半導体の地政学』が2021年末に刊行された後、半導体をめぐる世界のパワーゲームは一段と激しい動きを見せています。わずか2年の間にロシアのウクライナ侵攻が勃発。台湾海峡をめぐる米中の軍事衝突の現実味が高まり、イスラエルとアラブ武装勢力ハマスとの衝突が世界を震撼させました。
日増しにきな臭くなる国際情勢の中で、各国は国家の存亡をかけて半導体の争奪戦を繰り広げています。
なりふり構わず台湾、韓国の企業を囲い込む米国。経済制裁で追い込まれて国内生産に走り出す中国。そして日本では台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場の建設が驚異的なスピードで進みました。次世代チップの開発を目指し新会社ラピダス(Rapidus)が電光石火の如く設立されました。
半導体をめぐり世界の裂け目が広がっています。その先に現れるのは、いったいどんな世界なのでしょう……。
増補版では、2023年末に至るまでの国際情勢を踏まえて大幅に加筆、修正。世界地図の解像度を高めて半導体の地政学を読み解きます。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)