… … …(記事全文3,712文字)「ドキュメンタリーは格闘技である: 原一男 vs 深作欣二 今村昌平 大島渚 新藤兼人 後編」(原一男著・2420円・筑摩書房)
「ドキュメンタリーはフィクションである」
『ゆきゆきで神軍』の奥崎謙三曰く、「私は人生大芝居と思ってるんです」「奥崎謙三を演じられるのは私奥崎謙三しかいないのであります」と。
「自分は名優である」という言い方をする。『ゆきゆきて神軍』という映画はドキュメンタリーではなく劇映画だ、と言いたい衝動に駆られるとか。
「それまですごい挑発的な言動をしていた男がなぜか出刃包丁を振りかざした途端、まあまあやめなさいとなるのはおかしい」
けど、演じているなら止まります。現実と虚構、モノホンとドラマ、ドキュメンタリーと劇映画は違う、ということがわかりますから。
でも、人の心を打つのは、近松門左衛門がいうところの「虚実皮膜論」ですね。ウソとマコトの境界にこそ真実がある、という話です。
『ゆきゆきて神軍』の主人公というか被写体は奥崎謙三さん。この人物の持っている、ものす
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)