… … …(記事全文2,339文字)「不機嫌な作詞家 阿久悠日記を読む 前編」(三田完著・1870円・文藝春秋)
宣伝コピーに曰く・・・。
阿久悠さんといえば作詞家として、「また逢う日まで」「北の宿から」「勝手にしやがれ」「UFO」など5度の日本レコード大賞に輝き、生涯で売り上げたシングル盤の枚数は約7000万枚という歌謡界のモンスターです。
その阿久さんが生前、26年7カ月間にわたり毎日つけた日記が存在することは、ほとんど知られていません。イタリアのナヴァデザインによる革装27冊の日記は、明治大学駿河台キャンパスにある阿久悠記念館にひっそりと収められています。
2014年秋、阿久さんの身近で長年にわたり仕事をした三田完さん、阿久さんのひとり息子の深田太郎さん、明治大学の吉田悦志(国際日本学部)、富澤成實(政治経済学部)両教授、岩波書店OBの井上一夫さんの5人が、この膨大な日記の解読を始めました。その研究の成果をもとにした書き下ろしが、本作品です。
1日も休むことのなかった日記には、身辺雑記から仕事のメモ、その日のニュース、本や新聞の情報、ひらめいたアイデアなどが、愛用のペンテルのサインペンでぎっしり書きつらねてあります。
戦前、淡路島でうまれた少年はいかにして「阿久悠」になったか。時代をリードし続けた創作の秘密はどこにあったのか。作詩から小説へと軸足を移した『瀬戸内少年野球団』の映画の成功、しかし直木賞をとれない苦悩、晩年に苦しんだがんとの闘病など、これまではうかがいしれなかった、芸能界の巨人の苦悩も初めて明らかになります。
NHKディレクターを辞して以降15年、阿久さんとともに過ごした著者だけが知る「歌謡界の巨人」の真実です・・・。
阿久悠さんといえば、私の世代ですとやはり「スター誕生」という公開オーディション番組の仕掛け人、審査員。そしてプロデューサーという顔が思い出されます。
映画好き、夏目雅子さんファンとしては大好きな映画「瀬戸内少年野球団」ということになります。
あの中で級長役してたのが山内圭哉内少年野球団」は敗戦直後の淡路島が舞台。もちろん、阿久さんの故郷です。
子供たちを野球へと導く駒子先生を夏目雅子さんが演じました。結果的に彼女の遺作となりました。世界的俳優となった渡辺謙さんのデビュー作。
阿久さんの少年時代の出来事が散りばめられている作品です。
堂々たるスローガンを信じてひっくり返され、教科書にべっとり墨で塗って「なかったことに
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)