… … …(記事全文3,335文字)「歪んだ幸せを求める人たち:ケーキの切れない非行少年たち3」(宮口幸治著・836円・新潮社)
「おばあちゃんを悲しませたくないので殺そうと思いました」
非行少年の中には、時にとてつもない歪んだ考え方に基づいて行動してしまう者がいる。
しかし、そうした少年でも「幸せになりたい」という思いは共通している。
問題はその「幸せ」を求める方法が極めて歪んでいることであり、それは非行少年に限らないのだ。彼らの戦慄のロジック、そしてその歪みから脱却する方法を、豊富な臨床例と共に詳述する・・・とのことです。
いますね、こういう人。どういう精神構造なのか・・・不思議でなりません。
でも、います、あなたの職場にも必ずいるはず。
一流企業から転職してきた若者。最初の頃は、だれもが不思議がっていたそうですが、そのうち、わかってきました。ひとことで言えば、職場の人間関係がこじれて居づらくなったのです。
どういうことか? ないことないこと告げ口。先輩・上司にはイエスマン。同僚・後輩には、粗探しをしては人にいいつける。あることないことではなく、ないことないことを仕立て上げて告げ口する。
「それは得意先でも問題になる」と慌てて上司が担当者と同行すると、得意先がクビをかしげて驚く。
「なにかあったんですか?」
「うちの担当が不手際をしてしまったと聞きまして」
「なにもありませんけど」
えっ、どういうこと? つまり、同僚・後輩を貶めようとして勝手にでっち上げていたんです。得意先を巻き込んでね。会社の恥ですから得意先には真実を告げるわけにはいきません。
そんなことの繰り返しで、社内で信用を失って「総スカン」。居場所を失って退職・・・。
ところが、性格はなかなか直りません。転職先でも同じトラブルをあちこちでひきおこす始末。ここでも退職は時間の問題。
告げ口に最初は上司も引っ掛かりますが、そのうち、「あいつの言うことはウソばっかりだから気をつけろ」と社内で知られてしまいます。そうなったら終わり。にもかかわらず、やめられない。
ほぼ毎日配信!年3000冊読破の読書王・中島孝志の読む!見る!通勤快読宅配便
中島孝志(作家・コンサルタント etc)