… … …(記事全文2,660文字)「朱子学に毒された中国 毒されなかった日本 後編」(井沢元彦・石平著・990円・WAC)
周に滅ぼされた殷。移民が土地を奪われたため商売で凌ぐしか生きる道はありませんでした。
国を失いさまよえるユダヤ人と同じ憂き目です。
殷は商とも呼ばれたため、商人という言葉が生まれます。彼らに対する差別偏見が根強く残ったのが朱子学です。曰く、「商売はいやしいものだ」という中国独自の価値観です。
いま考えてみると、中国人には商売しかありません。中国人といえば商売人です。商売人を低く見るとは言語道断。渋沢栄一や石田梅岩のような哲人が出てこないだけのことはあります。民族自体が卑しいのであって、商売云々とは無関係です。
中国といえば科挙・宦官・纏足そして儒教・朱子学。因習に凝り固まり、後ろばかり見ている「バックミラー気質」。横並びの日本人は「サイドミラー気質」と言われますが、前例踏襲ばかりでは進歩はありません。
科挙は598年から1905年。隋から清まで続いた官僚登用試験ですが、これが大きな影響を及ぼしたようですね。
「何の役にも立たない知識ばかり丸暗記させ、しかも合格するまで10年20年はザラ」
「試験さえ通ればどんな生まれ育ちでも官僚になれる」
わが国は士農工商で農民が役人になる制度はありませんでした。中国からすると遅れた野蛮な国だ、と蔑まれていたわけです。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)