… … …(記事全文3,350文字)「教養としての聖書」(橋爪大三郎著・968円・光文社)
日本人よ、もっと宗教を知れ!
橋爪流・聖書をざっくり掴む技法を惜しげもなく公開――。
聖書を我がものにする極意が満載の一冊!
聖書を読めば…一神教がわかります。
神はえらいですけど、理屈があれば、何を言ってもいい。
「神さま、なんでこうなんですか?」みたいな。これが一神教の考え方です。
日本人は相手がえらいと、「ハハー」みたいになっちゃって、論争できませんね。だからビジネスの交渉でも、世界で渡り合えないんです。相手が神でも議論するんですから、相手が人間なら、大統領だろうと、社長だろうと、(中略)ガンガン議論する。
これが聖書を読んだ、一神教徒のやり方です。だったら日本人も、聖書を読まないでどうしますか。(本文より)
どうでしょう・・・「聖書」は少なからずかじっているのではないでしょうか。
かじらなくても、少しは知ってるよ、という人がほとんどではないでしょうか。
米欧の映画なんてのは、少なからず、聖書の逸話・エピソードが下敷きになって目ケースは山ほどあります。
「インディ・ジョーンズ」もそうですし、聖書を知らないといまいち伝わらないシナリオやジョークも少なくありません。
歌でもそうですよね。歌詞の中に聖書がいろいろ調味料としてまぶされていたりします。
さて、アダムとイブ。だれもが知ってる男女です。日本人でも、イザナギ、イザナミより有名かもしれません。
「楽園」から追放された後、「失楽園」で結ばれて、カインとアベルの兄弟を産みます。
兄のカインは農業、弟のアベルは牧畜。ゴッドはアベルの捧げ物を受け入れますが、カインには目を止めません。カインは怒って、アベルは原っぱに呼び出して殺してしまいます。
人類最初の殺人事件です。現代人のもならず人間はすべて「カインの末裔」です。
「弟はどうした?」
「私は弟の番人なんでしょうか?」
すっとぼけますけど、追放を宣告されてしまいます。
「人々は見つけ次第、私を殺しますよ」
ゴッドはカインに印をつけて7倍の復讐を約束して保護を与えます。
よく考えてみれば、この世には、アダムとイブとカインの3人だけのはず、誰がカインを殺すのでしょうか。というように、聖書には突っ込みどころが満載ですが、いちいちおかしい、科学的ではない、と突っ込んでも仕方ありません。
神話というのはそういうものです。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)