… … …(記事全文2,336文字)「あなたの知らない「仏教」入門」(正木晃著・1980円・春秋社)
仏教の霊魂観をはじめ葬儀のルーツ、悟りと神秘体験、現世利益、中世の寺院の経済活動等に関する意外に知られていない事実を解説する。
「祖師たちは、おおむね経典の文脈を無視することで、新たな教えや思想を生み出していたのです。仏陀に帰れ、と。しかし、これは不可能。なぜなら、仏陀は万人の救済を求めて修行し、ついに悟りを開き、その教えを広めたわけではありません」
どういうことか? 悟りを開いた仏陀が説法の対象としたのは「話せばわかる人」だけでした。縁なき衆生は度し難し、というじゃありませんか。
話してもわからないな、という人には説法をしないのです。
もちろん。話せばわかる人なんてほとんどいません。極めて少なかった。というのも。話せばわかる人とは、具体的に言うと、出家している人だけ。在家の人たちは、少なくとも当初は対象にはなりませんでした。
その後、ハードルを下げて。態度を改めて在家の人々にも説法をするようになりますが、その場合でも内容は大きく異なっていました。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)