… … …(記事全文2,246文字)「名著の話 芭蕉も僕も盛っている」(伊集院光著・1694円・KADOKAWA)
読んで語って見えてきた、深夜ラジオと芭蕉の名句、その意外な共通点とは?
NHK「100分de名著」で出会った約100冊より、伊集院光さんが、心に刺さった3冊を厳選。名著をよく知る3人と再会し、時間無制限で新たに徹底トークを繰り広げる、100分de語りきれない名著対談!
■松尾芭蕉『おくのほそ道』──蛙飛びこむ宇宙空間
長谷川櫂(俳人)×伊集院光
■ダニエル・デフォー『ペストの記憶』──伝染病のすべてをあらゆる書き方で
武田将明(英文学者)×伊集院光
■コッローディ『ピノッキオの冒険』──ピノッキオは死にました。でも……
和田忠彦(イタリア文学者)×伊集院光
「名著と出会うと、自分の中で何かが変わります。すでに出会っていた名著も大きな知と融合することで、さらにまた変わります」と伊集院さん。
「おくの細道」の書き出しの有名な一文=「月日は百代の過客にして、行きかう年もまた旅人なり」。
今風に言えば、時間は永遠の旅人だ、ということ。この時間こそが最大のテーマです。
芭蕉にとって、旅人は永遠に流れ続ける時間の象徴なんですね。変転極まりない虚しい人生をどう生きるか・・・芭蕉が生涯問い続けた大問題でしたから。
古池や 蛙飛び込む 水の音
「古池に」ではありません。古池にカエルが飛び込んで水の音がしたね。いったい どこが面白いの? そう感じる人は少なくありません。
外からカエルが水に飛び込む音が聞こえています。そこで、芭蕉はまず最初に「蛙飛び込む水の音」と詠んだ。しばらくの間、上に何か被せたらいいか・・・やっと「古池や」とかぶせた。古池を見ているわけではないし、どこにあるか知っているわけでもありません。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)