… … …(記事全文3,432文字)「つかこうへい正伝 1968-1982 後編」(長谷川康夫著・3300円・新潮社)
三浦洋一さん。早稲田大学が発行している媒体でインタビューされていました。
新入生歓迎で各劇団が芝居を打ちますね。それを観に行ったんです。
ストーリーがなく、俳優陣の持つ個性だけでつなげていく。でもそれがれっきとしたお芝居になっていました。もう面白くて、すぐそこへ入ったんですよ。でも、役者になるつもりはなかったんで、当初は裏方。もともと新聞記者になりたかった。だから政治経済研究会というサークルにも籍を置いて、並行して、芝居も始めた。結局、芝居の方が面白くなってのめり込んでしまったんです。
つかさんとの出会いは、劇団公演を見にきたんですよ。僕と平田に興味を持ったみたいですね。よく言えばピックアップですけど、悪く言えば劇団つぶし(笑)。学生劇団はきれいな女優が1人いればお客さんが集まりますが、それをかっさらっていってしまうと劇団はつぶれちゃいます(笑)。
プロになろうとは思っていなかったんですが、つかさんの圧倒的なテンション、パワー、それと「志」にズルズルと引き込まれたんでしょうね。「世の中にこんな凄い人がいるんだなあ」「しょうがねえからこの道で食うか」。他に特技もないし、「今さらサラリーマンにはなれないしなあ(笑)」って。
キャンパスには毎日通ってたんですけど、6号館の稽古場に入り浸ってばかり。1日12時間くらい稽古してましたから授業には出られなかった。
その稽古に根岸季枝(女優)とか早稲田以外の人たちも集まってくる。その頃は、芝居やって、酒飲んで、というくり返しの毎日。根岸なんか凄い飲み方でしたよ(笑)。
さて、つかさんを語る上で欠くことのできない人間・・・それがこの根岸季衣さんです。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)