… … …(記事全文3,108文字)「老いる意味 うつ、勇気、夢」(森村誠一著・924円・中央公論新社)
学生時代、よく読みました。めちゃ面白かったですもん。
椎名誠作品と同じで、いつの間にか手に取らなくなりました。テレビドラマでは相変わらず「終着駅シリーズ」は視聴率がいいですよね。
さて、老後は勇気をなくして乗り切れない。今までの人生の経験を凝縮して明日に立ち向かう。老後は良いことばかりではない、思わぬ病気もする。
老人性鬱病を告白し克服した作家の壮絶な闘い。老後の生き方の意味を提言する森村誠一渾身の話題作・・・だとか。
「人生50年時代が人生80年時代になり、ついに100年時代。少し前のサラリーマンは定年退職によってとりあえずのゴールを迎えて、そこから先は余生になる感覚だった。今はそんな枠組みは当てはまらない」
たしかにご指摘の通りです。70歳80歳となった時でも、その時点で立っているのは「終着駅」ではなく「第二の始発駅」ですよね。
それまでに蓄えてきた経験や知識、交友関係や経済力あるいは病歴や孤独など、よくも悪しくもいろいろなものを抱えて「新たな旅に出かける」というもの。
「順風満帆ではありません。病気もするし親しい人の訃報を聞いたり、明るい知らせだけではありません」
長生きするという意味はそういうことです。喜怒哀楽、身内知人の死を見る、ということにすぎません。哀しいけど、長生きした人の宿命だと思います。それが嫌なら付き合いをやめるか人間をやめるしかありません。
旅に病んで 夢は荒れ野を かけ巡る・・・枯野だと思ってましたけど。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)