… … …(記事全文2,852文字)「笑いのある世界に生まれたということ 後編」(中野信子・兼近大樹著・990円・講談社)
2022年のアカデミー賞授賞式。オスカーのウィル・スミスがビンタを張った事件がありました。
日米での反応が真逆でびっくりした人は少なくないのでは?
事件のあらましは有名ですけど、参考までに申し上げますと、ステージでコメディアンのクリス・ロックが客席にいるスミスの妻=女優ジェイダ・ピンケットの脱毛症をジョークにし、怒ったウィル・スミスがステージに上がってビンタを食らわせたというもの。
米国では暴力を振るったスミスが糾弾されましたが、わが国では冗談にもほどがある、とからかったロックに非難集中。
さすが米国。暴力国家ですから、暴力については人一倍センシティブな反応を示します。相手にビンタさせといてマシンガンを持ち出すのが米国流です。暴力に訴えたウィル・スミスは批判されて当然。
ですが、兼近さんは少し違うのではという意見。私も同感。
どういうことかというと、「目には目を、歯には歯を」であるならば、ロックのブラックジョークに対してブラックジョークでパンチを見舞ってやる、ということが実は洒落てるんです。同じコメディアンならばなおさらそうしなくちゃ・・・。
ブラックジョークというと、例えば「帰宅したら妻が浮気相手とベッドにいた。さあどうする?」という話があります。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)