小学校の頃は世田谷の太子堂、今の三軒茶屋近くに住んでいた。電柱には電気がつくとヤモリが集まり、夏には蝶々やアゲハ、アブラゼミやツクツクボウシをとったものだった。まれにタマムシが高いところを不格好に飛ぶのを見つけ、竹竿を網にくくりつけ、採集したことも何度かあった。
ちょうど公害が問題になったころで、近くの川はすでにどぶ川でその昔はコイやフナがいたといわれたが、全くそんな魚影は見られなかった。今は緑道公園となり、小川にはクチボソや背中が出ているでっかなコイなんかがいるが、区の職員が放ったものだろう。
私が今タケチャンポと称して、タマムシやコウガイビルを見つけたり、ヘビを触ったりするのは失われた環境体験の補充みたいなもの。昔懐かしい生態系が里山みたいな駒場に残っているのである。
南方熊楠が大事にした神社は粘菌の宝庫であり、里山は開発地域から逃れた生物が密集している筈である。「うさぎ追いしかのやま」は正に里山、こころの古里といえる。都内では里山の代わりに公園が存在する。ビオトープなど工夫したりして、生態系の維持に一役買っているのは間違いない。
野鳥を撮影する人の話では都会でもタカの営巣を確認しているという。多摩川には猛禽類もたくさんいると思われる。外来生物が多くなるのは困るが、里山、公園の自然ネットワークが太く強くなるような環境整備が求められるのだろう。
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