ウェブで読む:https://foomii.com/00263/20230626162446110746 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ASKA サイバニック研究所 ●「千社札」とはなに? 2023年06月23日 ─────────────────────────────────── 今は、殆ど禁止されているので貼る人はいなくなったが、昔は、「千社札【せんじゃふだ】」が寺社仏閣の柱や壁に山ほど貼られていた。 「千社札」は、神仏の御加護を願い自分が訪れた証拠に、手書きで名前、住所、屋号を書いた「納め札」「納札【のうさつ】」で、基本的に神仏が自分が来たことを忘れない様に貼ったもので、大坂の「今宮戎【えびす】神社」や京都の「恵美須神社」のように、賽銭を投じた後、裏壁を叩いて「えべっさん、今年も来ましたでぇ!!」と念を押すのと同じである。 「千社札」が始まったのは江戸時代中期で、やがて手書きから木版刷りに代わり、「浮世絵」の技術で色の付いたカラフルなデザインが出始める。 単色で印刷した物は「題名札」「貼り札」と呼ばれ、色物を「交換納札」と呼ばれたが、社殿や本堂にもベタベタ貼られ、それどころか山門や社殿の天井まで貼られ、後から来た者は貼る所が無いため、貼られた「千社札」の上から自分の「千社札」を貼っていった。 江戸ではそれが粋とされ、寺社側もそれだけ信心が集まる処と構えていたが、「題名札」が貼られてある間は自分と神仏のつながりが継続していると考えた為、始終参拝して「千社札」を貼る事になり、中には「裏札」といって目立たぬ処を見つけて貼る「隠し貼り」が横行し始めた。… … …(記事全文8,771文字)
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