… … …(記事全文2,990文字)「あなたの人生、片づけます 後編」(垣谷美雨著・713円・双葉社)
十萬里さんは妹の小萬里と家事代行会社を起こした経験があり、掃除に関してはプロ。
しかし、本当は化学反応で汚れを落とすより、家がゴミ溜めでも平気でいられる心理状態に興味関心があるのです。
しかも、対象は見るからにだらしない人間では面白くない。会社ではきちんと仕事を行うキャリアウーマンだったり、エリートサラリーマンの妻だったりのほうが断然面白い。
外面との大きなズレが原因ではないか・・・それを的中させるのが生きがいであり働きがい。
72歳の姑が書いた「チェックシート」を改めて見てみる。嫁の心を屈折させてしまった何かがこの姑のおせっかいが原因ではないか、と仮説を立ててみる。
パソコンで住居を検索してみると、やはり、いま話題の超リッチな国家公務員宿舎だった。都内一等地にある3LDK。最新設備のゴージャスな宿舎・・・一度覗いてみたかった。
玄関が暗い。いくらなんでも玄関くらいはきれいにしてあるはず。官僚の妻ならば、お互いに少しくらいは行き来があるんじゃないか。玄関先で用事を済ませて帰るにしても、これはひどい。ごまかせない。思った以上に心が荒んでいるような雰囲気がプンプン。
靴が乱雑に散らばっている。見るからに高級紳士靴の上に泥だらけのスニーカー。どこからか生ゴミの臭いまでする。廊下には積もった埃から考えてもここ1ヶ月は掃除をしていないようだ。
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