… … …(記事全文3,268文字)「そしてドイツは理想を見失った 前編」(川口マーン惠美著・946円・KADOKAWA)
現代ドイツを切り口に「理想」と「自由」の関係までを考察した渾身の1冊。
第二次世界大戦後の泥沼から理想を掲げて這い上がり、いまや世界最強国家の1つともいわれるようになったドイツ。しかし、じつはその実情はといえば、理想主義に足をとられてエネルギー・難民政策に失敗し、EUでもオーストリアのクルツ首相はじめ、「反ドイツ」の動きが止まらない……。
盤石だと思われていたアンゲラ・メルケル政権は、2017年の総選挙で実質的には敗北を喫し、右派政党AfD(ドイツのための選択肢)が第三党へと躍り出た。あの「民主主義の優等生」が、いつの間にかこうした混乱に陥っていたことを、ご存じだと思います。
「理想のない政治はよくないが、政治が理想に支配されてしまうと、国家は破綻する」。ドイツ在住30余年、その内実を現場から見つめつづけた川口さんはそう語ります。
ドイツがその理想を託すEUは、このまま空中分解してしまうのか? 日本で報じられないドイツメディアの日本・中国評から、「自由」と「規制」の関係までを深く考察した、どうしてもいま日本人に伝えたい「理想」「自由」「国家」の本質です。
かつて、ドイツといえば、真面目で勤勉な人たちが住むハイテク工業国だ、職人がリスペクト
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