… … …(記事全文2,077文字)「高峰秀子の流儀」(斎藤明美著・936円・筑摩書房)
「動じない」「甘えない」……大女優にして名文筆家、高峰秀子さんの研ぎ澄まされた生き方とは? 明日からの生き方が変わります。解説 楠木建さん。
女優・歌手・エッセイスト・・・どれをとってもピカイチ。
子役から大人の女優へ成長、戦前・戦後を通じて半世紀にわたり日本映画界で活躍した女優の中の女優。
1929年、松竹蒲田撮影所で子役デビュー。天才子役スター。その後、東宝、新東宝を経てフリー。木下惠介、成瀬巳喜男監督作品の常連。小津安二郎、豊田四郎、稲垣浩、五所平之助、市川崑など日本映画界を彩る巨匠監督の名作に数多く出演。
1979年に女優を引退。その後はエッセイストとして活躍。
「高校生の時、現代国語の教科書で『黒』というエッセイを読んだのが最初。たいして印象に残らなかった。それでも覚えているのはこの短い文章の中に、『白も黒ものっぴきならない色である』という一文があり、これで僕は『のっぴきならない』という言葉を知った。辞書を引いて意味を知り、この言葉を選び使うセンスがかっこいいと思った。
その後30歳前後で遅ればせながら代表作の『私の渡世日記』を手に取って、『のっぴきならない』衝撃を受けた」と書いているのは本書の解説をしている楠木建さん。
実はこの『黒』という項目。「黒を着るのは難しい」という話が出てきますが、エッセイのこの部分は東大入試に出ていたはずです。
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